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マネジメントシステム改善のポイント

【労働安全衛生】OHSAS18001 認証取得お客様事例~より良い商品・サービスの提供に向けて~労働安全衛生マネジメントシステムを導入からシステム構築を通して情報共有を進め~組織全体の活性化につながる[株式会社シーボン様]

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【労働安全衛生】OHSAS18001 認証取得お客様事例~より良い商品・サービスの提供に向けて~労働安全衛生マネジメントシステムを導入からシステム構築を通して情報共有を進め~組織全体の活性化につながる[株式会社シーボン様]

取材先:
株式会社シーボン様
取締役副社長兼執行役員 三上 直子 様(中)
生産部 部長 稲見 博之 様(左)
生産部 総務経理課 マネージャー 佐藤 容子 様(右)

株式会社シーボン様(本社:東京都港区六本木七丁目18番12号 https://www.cbon.co.jp )は、1966年の創業以来、企業理念として「美を創造し、演出する」ことを掲げています。単に化粧品を販売するだけでなく、スキンケアアドバイスや肌チェック、フェイシャルケアなど、アフターサービスを含めて化粧品全般に関する幅広いサービスを提供しています。また、シーボン様は業界においても先駆けとなる商品・サービスの開発を進めており、例えば今でこそポピュラーになっている化粧品会社によるサロンケアサービスについては、1980年代にスタートさせています。
そんなシーボン様がとりわけ重視してきているのが、職場の環境整備です。自分たちの商品・サービスを通してお客様にご満足いただくには、ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)の向上が重要であり、そのためには働きやすい職場が欠かせないという考えからです。その取り組みの一環として、2015年12月、栃木県河内郡にある生産センターと研究開発センターで労働安全衛生マネジメントシステム規格・OHSAS18001の認証を取得しています。今回、その取り組みについてお話をうかがいました。

1.企業としてさらに一歩高みを目指すためにOHSAS18001に取り組む

Q.まずOHSAS18001認証を取得した経緯からお聞かせください。
                                                                                    
三上様  シーボンでは、2011年にISO9001、その翌年にISO14001の認証を取得しており、品質や環境マネジメントシステムを導入して業務改善につなげてきました。ここで得られた成果を踏まえ、企業としてさらに一歩高みを目指すためには、労働安全衛生に関する管理体制を充実させることが必要と判断し、OHSAS18001に対応したマネジメントシステムの導入と認証取得に取り組むことにしました。

労働安全衛生に関する活動については、世間では堅苦しいイメージがあるようですが、シーボンでは以前から職場環境の整備や改善活動を重視してきています。例えば職場環境をよくするための基本活動として、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「習慣」の5S活動がありますが、従来から積極的に行ってきています。こうした今まで行ってきた活動の延長線上にOHSAS18001への取り組みがあるのです。

そのOHSAS18001の認証取得までの感想については、システム構築の中でとりわけ「リスク評価」が大変でした。リスクを顕在化させ定量化して対処するという一連のプロセスについて、それまでほとんど経験がなかったからです。

ただ、取り組み全般を振り返ってみると、業務の進め方についての改善点を見つける最適なトレーニングになったと考えています。課題の抽出から最適な対策を考えて実行に移し結果を確認する一連のプロセスは、組織における業務改善という観点から従業員各々にとってプラスの経験になったことは間違いないでしょう。

2.職場や業務に関して改善点などいろいろ「気づく」経験へ

Q.プラス経験の具体例をご紹介ください。

三上様  その一つが「気づき」です。システム構築は、職場や業務に関して改善点を含めいろいろな点に「気づく」という経験につながっています。例えば従業員研修では、自身で気づいて考え納得するような内容が効果的です。この気づきを経験できたので、労働安全衛生という分野だけでなく、業務の進め方の見直しにつながる可能性があるのです。今後、一人ひとりが仕事の改善を図っていくことを期待しています。

佐藤様  まず取り組みの感想としては、労働安全衛生に関する本質の理解が深まったと考えています。OHSAS18001の規格文を最初に読んだ際は、ここで書かれているような取り組みが自分たちに必要なのか、正直な話、あまりピンとはきませんでした。

従来から、例えば安衛法(労働安全衛生法)をはじめとした労働安全衛生をテーマとした仕組みの導入や活動はしっかりやってきたという自負はありました。ただし、建設業や他のモノづくりの製造現場などと比べた場合、私どもの工場は一見しただけでは重大リスクに該当するような業務は見当たりません。そのために、現場ではリスクの抽出をあまり強く意識せずにやってきたといった状況も見られました。

そうした中で、三上からは経営の観点から、「生産現場には、労働安全衛生について潜在的なリスクが埋もれたままで気づかれない状況があるはず。従業員のやりがいにつながるような職場にするには、リスクに関して現場の意識を向上させる取り組みが求められています」といった問題提起を含んだ指摘があったのです。

そこでいろいろ検討する中で、業務に伴う潜在的なリスクを抽出して、必要に応じて効果的な対策を採っていくOHSAS18001の労働安全衛生マネジメントシステムに取り組むことにしました。

Q.リスク評価について現場で大変だった点を教えてください。

佐藤様  まず、リスクに関する考え方を統一することが必要でした。認証範囲である生産センターと研究開発センターにおける一連の業務工程を確認したところ、担当によってリスクの捉え方がまちまちで、取り組みレベルにばらつきがありました。中にはリスクへの対応レベルがやや弱いプロセスや、一般的なハード面にしか対応していないものもありました。

例えば工場の生産機材については保護器具の設置などを採り入れていました。その一方で、作業に伴う固有のリスクについては、堀り下げることでより高い安全レベルが達成できるような事象もありました。

そこで、どんな行動がどういう状態につながるのか、原因と結果の因果関係を関連づけた分析から取り掛かりました。ここで出てきた課題に対し、生産現場で取り組むだけでなく、会社組織全体としても採り上げていく体制の整備も行っています。


稲見様  システム構築の当初は、「ここまで細かく評価する必要があるのでしょうか?」という意見もありました。しかし実際に、工程のプロセスを一つひとつ確認してリスクを抽出し評価を行い、優先順位をつけて必要に応じて対策や改善を考え導入する一連の流れを経験してもらうことで、リスク評価自体の重要性が理解されたと思います。

例えば工場では、化粧品を箱詰めした後運搬作業がありますが、従来は1箱の重さはおおよそ○×㎏以下などと曖昧な状態でした。それが今回、「腰を痛める事態がありえます。腰は健康面で大変重要であり、制限の重さを明確に決めておく必要があるはず」という認識にあらたまったのです。

これは一例ですが、通常の作業ひとつとってみても、労働安全衛生という観点からリスクを考え、対策を採るべきかどうか判断が必要という発想が共通認識になりました。

佐藤様  初回の登録審査の際にもいくつかの指摘を受け、リスクについていろいろ考える機会になりました。内部監査もレベルアップしてきており、例えば各々の職場に応じてどんな対策が必要かという視点で、意見交換するようなレベルになっています。このように、システムについて段階的に学びながら改善を重ねてきています。

Q.認証取得についてビフォーアフターについて教えてください。

佐藤様  繰り返しになりますが、リスクとその対策に関する考えが大きく変わりました。過去に発生した労働事故等については参考になるように記録を残し、対策も採ってきていました。しかしながら表面的な対応で終わっていたケースもあったと思います。こうしたことが、根本原因までしっかり考えて効果的な対策を採っていく、マネジメントシステムが求めるPDCAサイクルで是正対応を行うようになりました。

3.「見える化」でリスクに関する「情報の共有」が進む

稲見様  認証取得後、社内における「情報の共有」が進んでいます。システム構築の取り組みを通して手順や文書類の整備が進み、これらの情報が「見える化」されたからです。どの部署のどんな仕事にどのようなリスクがあって、それに対しどんな対策をとっているのか、リスクに関する情報について担当者以外も目にすることができるようになっています。以前は隣の部署の仕事や、自分たちが担当する工程に前後するプロセスであっても、リスクやその対策についての情報はあまり共有されていませんでした。

実際に共有されるようになったことで、これらの仕事や工程のリスクが把握しやすくなり、取り組みの優先順位をつけられやすくなりました。さらに、工程全体にとってより効果的な対策を選ぶことができるようにもなったのです。

あと細かなことですが、以前は対策が設けられていても、実際に守られているかどうかは周りには分からない状況でした。それが、情報が共有されたことで本人次第だった状況が変わり、小さなことでもきっちり守るといった雰囲気につながっていると感じています。

4.他人事(ひとごと)を自分事として考えるようになる

三上様  経営という観点からは、今回のOHSAS18001やすでに取得済のISO9001、14001に対応したマネジメントシステムの存在のおかげで組織をまとめやすくなったと考えています。以前の社内では、「それは私の仕事ではありません」などと担当以外の仕事には関知しない雰囲気が少なからずあり、個々の担当者同士あるいは部署同士の連携は万全というわけではありませんでした。

この状況が一連の取り組みを経て変わりつつあるのです。個人や担当部門の仕事範囲が明確になって、お互いに協力しやすくなってきており、上からの指示ではなく自主的に協力するようになってきています。このように個人間に加え、組織全体で、他人事(ひとごと)を自分事として考える雰囲気に変わってきたことは、経営面で大きなメリットだと考えています。

さらに分かりやすい変化を挙げると、会議の雰囲気が変わってきたことです。以前は、他部署のことには口を挟まないといった雰囲気がありましたが、より多くの意見が飛び交うようになってきており、マネジメント面では大きなプラスです。

稲見様  労働安全衛生に関しては、自分の所属する部署だけでなく、組織全体の立場でリスクを減らすための提案が出てくるようになっています。まさに情報の共有が組織の活性化につながっているのです。

5.モノゴトに優先順位をつけて取り組むための最適なツール



Q.見える化によって情報の共有につながり、お互いの仕事への配慮にもつながっているわけですね。

三上様  OHSAS18001は、労働安全衛生の仕組みに関するベストプラクティクスであり、マネジメントしやすい組織にするためのエッセンスが詰まっているというのが感想です。マネジメントシステム規格に基づいた仕組みの導入は、グローバルで認められた組織マネジメントの管理手法のお手本を自分たちに取り込むということです。さらに加えると、何を一番先にすべきか、個人の担当業務だけでなく部署、さらには組織としてモノゴトに優先順位をつけて取り組む手法として非常に有効なものだということです。

例えばOHSAS18001では優先順位づけを数値などで客観的に説明することを求めています。労働安全衛生を発端として、緊急度や重要度でアセスメントしていきますが、何もこの分野だけに限った話ではありません。企業でモノゴトを進める際、何が一番重要かという優先順位づけは欠かせませんが、その判断のツールとして活用できるのです。

Q.シーボン様は「仕事にやりがいを感じ、実施し、より働きやすい職場」づくりを重視しているとうかがっています。

稲見様  認証を取得して3年経ちましたが、引き続き労働安全衛生に対する意識を高めていく必要があると考えています。特に安全についてはさらに浸透させて、最終的にはすべての従業員にとって働きやすい職場、安心して毎日仕事に行きたくなるような職場、そういった環境づくりに今以上に注力して取り組んでいきます。

6.職場環境の改善でESを向上させることは顧客満足の向上つながる

佐藤様  今後の課題は、生産現場におけるリスクに対する意識をさらに高めることです。例えば工場の業務はパートタイム契約の方々もいますが、彼らを含めて全社でいかにリスクに対する意識を高めていくか、教育体制なども含めて活動を充実させていきます。ただし一方的に教えるだけの研修は受け身になりがちで、なかなか身につきづらい傾向があるようです。そこで自ら考えてもらうような機会をより多く設けています。

例えば車通勤が多いので交通事故に関係するリスクをとりあげるなど、身近なテーマでいろいろ考えてもらい、朝礼の場で発表してもらっています。より多くの従業員にリスクに関わる当事者として意識してもらうことが、組織としてのリスク対応のレベルアップにつながると考えています。

シーボンでは、働く従業員の満足度の向上を経営面での重要課題の一つに位置付けています。そのため、人事部の中には通常の人事課に加え、ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)向上推進室を設けています。従業員の福利厚生については、かねてから制度を含めてしっかり対応してきたつもりですが、一人ひとりのさまざまな事情も関係してくるので全員が100%満足といった段階にはまだ至っていません。

こうした状況に対して社長から、「シーボンにとって一番大切なことは、ES を高くしてやりがいを持って仕事をしてもらうことです。ESの先には良い商品づくり・サービスの提供があり、それがお客様の満足度向上につながっていくからです。そのためにES向上推進室を新たに設置します」という指示がありました。

三上様  そのES向上推進室が中心になって働きやすくやりがいを感じるような職場環境づくりに取り組んでいますが、その活動の一環が労働安全衛生マネジメントシステムの導入です。もちろん認証取得はゴールではなく、通過点です。お客様に現状以上に良い商品・サービスを提供するためにも、今後もOHSAS18001の認証と労働安全衛生マネジメントシステムを活用して、職場環境について継続的に改善を重ねていきます。

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