2030年に向けた企業として未来像を見通す未来予測セミナー
2030年――SDGs(持続可能な開発目標)が掲げた17のゴール・169のターゲットを達成するリミットとなる年です。
ビジネスマーケットでは、これらのゴール・ターゲットを実現するための、
革新的なソリューションの開発や抜本的な変革を実現するビジネスモデルの創出が期待されています。
こうした状況の中、あらゆる企業にとって自社ビジネスやその在り方をSDGsの視点で再確認することは、
「将来のビジネスチャンスの可能性」につながると言えるでしょう。
日本能率協会では、『未来予測セミナー』を通して、
御社の「将来のビジネスチャンスの可能性」の見極めをお手伝いしています。
以下の概要記事でご紹介するセミナー内容をベースに、ワークショップなども組み込めます。お気軽にお問い合わせください。
日本最大級のビジネス情報提供機関であるマーケティング・データバンク(MDB: https://mdb.jmar.co.jp )に所属する情報コンサルタント・菊池健司氏(日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 副本部長)による「コロナ渦の今後を見通す『未来予測』セミナー」がオンラインで開催された。
2020年は新型コロナウイルスによって大きく変化したが、今後の市場について、「どのようになっていくのか?」「ポイントとなるキーワードは何か?」「予測するためにどのように考えればいいのか?」、そして「抑えるべき情報源にはどういったものがあるか?」などを幅広く紹介するセミナーとなっている。
SDGsで2030年に向けた企業として未来像の決定が迫られる今、『未来予測セミナー』の活用が期待される。そのセミナー概要を紹介する。
ポストコロナ時代の最新ビジネス調査トレンド
2020年度下期、世の中のビジネスパーソンはどのようなビジネステーマに注目しているのか。2020年は良くも悪くも新型コロナウイルスに始まり新型コロナウイルスに終わりつつある。その中でMDBの顧客約2,000社が関心を抱くビジネステーマは何か。菊池氏は、多くのお客様からさまざまな業界における新型コロナウイルスのビフォー・アフターについて聞かれるという。
その中でも最も多いキーワードは「殺菌・抗菌・滅菌」だと明かした。これから2021年にかけて、さまざまな企業が一気に「殺菌・抗菌・滅菌」ビジネスへ向かっていくと予測している。これは今のところブルー・オーシャンの印象が強いが、気づいたらレッド・オーシャンになっている可能性もあると注意を促した。新型コロナウイルスのトレンドは永遠に続くわけではないが、この領域で自社に何ができるのか、あるいは成功しそうな会社との連携を早めに考えておくと、多くの果実が採れる可能性があるとした。
また、次のキーワードとしては、日本を代表する自動車メーカーが壮大な実験を始める「スマートシティ」を紹介した。実現すると経済圏が大きく変わる可能性を持っており、関連キーワードとして「EV・自動運転」「スマートホーム」「スマートハウス」「エネルギー」を挙げたうえで、「SDGs」「環境」についても注目すべきとした。なお、最近、リチウムイオン電池の検索件数が非常に多く、この動きに何かあるのではないかと指摘している。
菊池氏個人の注目キーワードは、今後、名称が変わる可能性はあるが「ヘルスケアマーケット」だという。人生120年時代という話もよく聞こえてくるが、寿命が伸びていくことでマーケットが広がっていく。同時に新型コロナウイルスにより長生きしたいという根源的な欲求が明確化してきている。先ほどの「滅菌・殺菌・抗菌」はヘルスケアにつながってくるが、こうした 「×(かける)ヘルスケア」 という発想で新しい動きを見つけ出した企業が、2021年以降注目を集めるとした。
コロナショックによる大きな変化を考える
続いて新型コロナウイルスによる影響について解説。最も変わったことは、さまざまなビジネストレンドが前倒しになったこととした。リモートワークという大きな変化が出てきて、人々が自宅に滞在する時間が長くなっているが、関連ビジネスはまだまだ少なく参入できる領域にたくさんの空きがあり、もったいないと強調している。
また、新型コロナウイルスの感染拡大防止により、現在の日本は鎖国状態であると指摘。この状況がいつまで続くのかは予測できないが、まさに「時代が変わり顧客が変わること」に注目すべきだという。「顧客が変わる」は重要なキーワードであり、日本を代表する自動車メーカーが、これからは街を売っていくと宣言している。まさに現実の街が変わっていくことになり、こうした動きのピラミッド頂点を取るべく、すでに大きな動きが出てきているという。
*以下は、セミナーにおいて本セクションの続きで取り上げる項目です。
・JR各社の中期経営計画から見えてくる「今後の働き方と生活スタイル」
・2008年リーマンショック/2011年東日本大震災の発生と当時の未来予測
・2020~2025年の「M&Aと業界再編」と「海外からの熱視線」予想 他
(図表1)未来を想起する上での重要なフレーズ
日本ではここ3年ほど、企業の経営陣や経営戦略担当者、あるいは事業の未来創造などの担当者、研究者、エンジニアなどが、こぞってM&A・企業合併の専門誌を定期購読し始めるという現象が起きている。こうした専門誌を読むと、意外な組み合わせのM&Aや合併が多く、その裏にあるものが見えてくるという。こうした情報にアンテナを張っておくことでマインドマップが広がっていき、自社が新たに参入できうる分野が見えてくる可能性があるとした。
「海外からの熱視線」については、日本が海外へビジネスを仕掛けにいく動きとは逆に、海外から日本に乗り込まれることが多くなるという。実はコロナショックが起こる直前まで、日本についてシリコンバレーやヨーロッパ、中国で成功しているスタートアップなどが「アメリカではだいぶ手応えをつかんだ、次はジャパンだ」、"NEXT JAPAN"という言葉が飛び交うほど、海外は日本市場で勝負をしたがっていたという。
*以下は、セミナーにおいて本セクションの続きで取り上げる項目です。
・日本が世界から「課題先進国」と呼ばれている理由
・コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像
・首相官邸「未来投資会議」と内閣官房「成長戦略会議」
・新型コロナウイルスを受けて「新しい働き方の定着」
・情報を探索(=「情報探索」)する際の秘訣 他
(図表2)2020年7月「成長戦略実行計画案」の目次
以下の概要記事でご紹介するセミナー内容をベースに、ワークショップなども組み込めます。お気軽にお問い合わせください。
注目しておきたいこれからのビジネストレンド
2021年以降のビジネストレンドを把握する上で重要情報源として、帝国データバンクの「新型コロナウイルスに対する企業の意識調査」(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p201101.html)を紹介した。帝国データバンクに加え東京商工リサーチ(https://www.tsr-net.co.jp/)のさまざまな調査情報は、定点観測として定期的にチェックすることが必要だという。たとえばすでに業績が下降している業界はもちろん、今後のマイナス影響を見込まれる業界などにも着目し、彼らに新たなビジネス提案を行うことで、チャンス獲得につながる可能性があるからである。
続いて、新型コロナウイルスにより業績がプラスになった業界を示し、とくに小売は最もプラスの幅が大きいが電子商取引の動きには注意が必要とのこと。日本の場合、電子商取引の比率が全体の10%にも満たないためで、今後、大きな動きが一気に出てくる可能性があるという。
*以下は、セミナーにおいて本セクションの続きで取り上げる項目です。
・新型コロナウイルスにより劇的に業績を伸ばした企業について
・経済産業省による「循環経済ビジョン2020」と「グリーンイノベーション戦略推進会議」
・SDGsにも通じるテーマ「廃棄」は要チェク
・「市場感を把握する」ヒントについて
・「人工知能の未来」について
・AIが新たな産業を生み出し既存の産業を壊すか?
・今、必要な未来目線とは何か 他
(図表3)経済産業省「循環経済ビジョン2020」より
(図表4)経済産業省「次世代ヘルスケア産業協議会の今後の方向性について」より
「未来探索」のために備えておきたい「視点」
ポストコロナ時代の「未来探索」のために備えておきたい視点については、まず「連鎖で想起していく」ことが重要であるという。例として、首相官邸の「ムーンショット型研究開発制度が目指す未来像及びその実現に向けた野心的な目標について(案)」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/moonshot/dai4/gijisidai.html)を示した。
未来予測には当たり外れはあるが、日本国家が予測しているものなので、目を通す価値は十分あると強調した。
*以下は、セミナーにおいて本セクションの続きで取り上げる項目です。
・今後10年間のポイントは異業種合併
・「見方を変えること」で発想を変える
・4つの予見から変化を読もう 他
(図表5)首相官邸「ムーンショット型研究開発制度が目指す未来像及びその実現に向けた野心的な目標について(案)」より
「未来探索」において見逃せない必須情報源のご紹介
新型コロナウイルスの影響を捉える上での重要なキーワードを紹介し、続いて5年後、10年後に向けた時代の変換キーワード・テーマを紹介した。
*以下は、セミナーにおいて本セクションの続きで取り上げる項目です。
・5年後、10年後に向けた時代の変換キーワード・テーマについて
・「未来探索」のために欠かせない8つの情報媒体のご紹介
・2030年を見据えたマーケティングのトレンドについて
・まとめ 「今、企業が考えるべきことは何か?」
上記の概要記事でご紹介するセミナー内容をベースに、ワークショップなども組み込めます。お気軽にお問い合わせください。