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「JMAQA AWARDS 2021」

Award-winning organization

【JMAQA AWARDS 2021 受賞企業様 インタビュー】
三協精密株式会社

「全員参加」でISOシステムと事業との統合を実現
~ ISO 13485の取得で医療機器パーツ製造に求められる信頼性に応える ~

取材先:三協精密株式会社
  取締役   杉本 竜真 様
       品質保証部  部長  青柳 晶博 様


■杉本竜真 様(右)、青柳晶博 様(左)。



日本能率協会審査登録センター(JMAQA)では、ご登録いただいている組織を対象とした表彰制度「JMAQA AWARDS」を設けています。
この表彰制度は、事業とマネジメントシステムを一体化させることで成長している組織の取り組みを称え、広く紹介することを目的としています。

第4回目となる「JMAQA AWARDS 2021」では、審査員による推薦組織の中から選考委員会の審議を経て、
株式会社草川精機、三協精密株式会社、濵田酒造株式会社、明治チューインガム株式会社の4社が受賞しました。
ここでは、三協精密様への取材でうかがった内容をご紹介します。

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受賞テーマ  :  「全員参加」の仕組みを目指し教育・研修を充実させ、医療機器パーツ製造に求められる信頼性に応える

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選考理由
三協精密株式会社(長野県安曇野市明科光582)は、精密プラスチック加工をコアテクノロジーに、医療機器分野と情報機器分野で強みを持っています。とりわけ同社の人体・生命に関わる医療関連の製品は、衛生・安全性を最優先させるべき重要パーツとして精度やクリーン度が求められるもので、同社の高い技術力が顧客に広く評価されています。日本能率協会審査登録センター(JMAQA)による認証は、ISO9001は1998年より、ISO13485は2017年より登録しています。
今回、ISOマネジメントシステムを『経営を適正に実施するためのツール』であると位置付けて、会社に関わる全ての人々が、規格に沿って決めごとを守り実行するという、ISOシステムと事業との統合を理想的な形で実現している点が評価されました。

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■工場の外観です。

■三協精密では3つの経営理念を通して、「Clean & Ultra Technology」を実現しています。
 (1)ユーザーニーズに応える信頼・品質・コスト
  (2)コストパフォーマンスの追求により世界に挑戦
(3)独創のテクノロジーとフレキシブルな発想



1. 医療機器パーツ製造メーカーとしてISO13485認証が求められる

三協精密では、1998年にISO9001、2017年にISO13485(医療機器―品質マネジメントシステム)の認証を取得しています。ISO13485は要求事項が求めるレベルが高い印象がありますが、なぜ取り組んだのでしょうか。取締役・杉本竜真氏はその理由について、取引先のニーズが大きいことを挙げています。とりわけ三協精密の一番の取引先である医療機器メーカーA社からの要望に応える必要が出てきたのが大きいといいます。

以前より三協精密は長野県で医療機器に関する「医療機器製造業許可証」を取得するために、薬機法(医薬品医療機器等法)の「QMS省令」に基づいたマニュアルを制定し、一部の事業所で運用していました。ただし、それ以外の工場でも医療機器パーツを製造しており、A社を含めたお客様対応の充実化が営業上、重要になってきていました。そこで一部の事業所だけに限定しないISO13485の仕組みの導入が必要という声が社内現場から上がってきたのです。こうした状況を踏まえて、トップマネジメントが取り組む判断に至ったといいます。

実際にISO 13485に取り組んだ感想については、ISO9001の品質マネジメントシステムを20年間運用してきており、その仕組みが土台として有効だったといいます。また、QMS省令に対応してきた経験も大いに役立ち、まったく新規で取り組むよりははるかにスムーズだったそうです。
もちろん、ISO13485を取得するにはISO9001にはない要求事項があるので、その対応に多少の苦労があったとのことで、詳しく聞いてみました。

2. 新たなハードの導入は必要なし、従来からの「人重視のマネジメント」が役立つ

ISO13485の取り組みで、ハード的な対応については、新たに導入するものはなかったので問題はなかったそうです。
「製造環境ついては、クリーンルーム対応の工場なので、従来からしっかり管理してきています。クリーンルームを作る際には、お客様からのご要望はもちろん、あらかじめ自分たちのビジネスの可能性を踏まえて設計要件を決めていました。そのためもあって、ISO13485に対応するにあたってハード面はすぐにクリアできました。ただし、ハードを運用するのはあくまでも人です。施設管理を含めた仕組みの運用、維持という面で少々苦労した面があります」と明かしてくれました。

その苦労した一例としては、製造現場を中心に作業環境の管理を挙げています。
「ISO13485では、たとえば清掃実施状況など作業環境に関する記録についてはすべて残す、あるいは品質のばらつきをチェックするトレンド管理を徹底する、こうしたことが求められます。実施するにはすべての従業員に対して周知する教育が必要でした。取り組み自体は以前からやってきた内容ですが、あらためて現場に徹底にすることが必要となり、この点に時間を要しました」と杉本氏はいいます。

ISO13485では、高品質、高精度、クリーン環境といった設備面に非常に高いレベルを求められるだけでなく、一方でそれらを使う「人」に関しても的確なマネジメントを要求しています。ここで取り組んだ内容について杉本氏は次のように説明してくれました。
三協精密のトップマネジメントは日頃から「製造業は人が一番大切」と強調しています。それを受けて、「教育の継続的維持」、その教育内容の「理解度の確認」を重要視してきた経緯があります。ISO13485に対応した仕組みを定着させる上でも、新たな手順書や規定がいろいろ加わっているので、それらに関する研修を実施して、その理解度の確認にも注力しています。

研修、理解度の確認というプロセスを継続的に行うことで、「全員参加」につながっているのが分かります。今回の受賞では、「会社に関わる全ての人々が、規格に沿って決めごとを守り実行するという、ISOシステムと事業との統合を理想的な形で実現」を挙げさせていただきましたが、従業員の参加、すなわち「全員参加」を実現している経緯について詳しく説明してもらいました。

■研修を継続的に行い「全員参加」につなげていく。



3. ISOへの意識を継続するための「全員参加」への工夫

杉本氏は、「全員参加」が実現している秘訣にはいろいろあるが、その一つとして「報連相(ホウレンソウ)」をはじめとした内部コミュニケーションが活発なことを挙げています。例えば、部門長、主任、リーダーなど、さまざまな職位がありますが、各々の立場に応じた複数の会議体を運営して、情報のやりとりを密に行っているそうです。
「会議体には意識付けの効果も期待しています。それぞれの立場に合った課題や議題を揃えることで、自ずと参加意識を持ってもらうことにつながるからです。今後は、会議体をより細かく分割して設けて、職位ごとの目的をより細やかに設定することを考えています」(杉本氏)。

また、全員参加を進める上では、ISO審査も活用しています。審査現場には、部門長だけでなく、主任やリーダークラスも参加させており、これが当事者意識による責任感にもつながっているとのことです。この例のようにISOに関するさまざまな場により多くのメンバー巻き込むことで、「全員参加」につなげていることがうかがえます。


4. モチベーションアップで全体のボトムアップ
   ISOシステムと事業との統合で組織レベル向上へ

この全員参加については、各々のモチベーションを上げることも重要だと杉本氏はいいます。「初歩的なことでも、よくできた内容はみんなの前で褒めるなど、責任と達成の意識付けを心がけています。小さな積み重ねでモチベーションアップにつながる環境を用意することで、意識変化が生まれ、組織全体としてのボトムアップが実現していると感じます」(杉本氏)。

こうしたさまざまな取り組みを通して、「会社に関わる全ての人々」が規格に沿って決めごとを守り実行する環境を醸し出して、現場を含めた組織全体における活用につなげています。トップマネジメントがそもそもISOを、経営を適正に実施するためのツールと位置付けていることも相まって、まさに、ISOの仕組みと事業との統合を、理想的な形で実現していると言えるでしょう。

もちろん全員といっても温度差は当然出てくるので、100%定着化させることは、そう簡単にはいかないともいいます。以前、全従業員にアンケート形式でISOの理解度テストを実施したところ、「ISOのマニュアルに書かれている初歩的な内容でしたが、それでも予想していたよりも理解度が低かったのです」(品質保証部 部長 青柳晶博氏)。
理想としては、従業員がISOのマニュアルや手順書、仕組みなどを100%理解していることが望ましいと考えており、そのレベルを目指しているそうです。杉本氏は、「先は長いと感じているのが正直なところですが、ISOに限らず定着には時間を要するので、継続的に取り組んでいきます」といいます。
今後も、全員参加に向けてさまざまな試みを採り入れる予定があり、例えば、従業員一人ひとりと面談を行って会社との距離感や温度差を縮めることを考えているそうです。


5. ISO13485認証により信頼性が向上、新たな取引につながる

ISO13485を導入してよかった点をあらためて聞いてみると、取り組む目的は、当初は会社のレベル向上でしたが、実際に取得したことで新たに数社との取引ができるなど、業務、そして経営の面でも大きな効果があったといいます。システムの定着、とくに全員参加については改善の余地がありまだ取り組みの最中ですが、会社的、経営的にはかなり大きな財産になったと杉本氏は教えてくれました。

その大きな効果・財産について聞いてみると、営業上のメリットを詳しく教えてくれました。例えば、新しいお客様で新規取引を検討する場合、事前チェックがあり、「ISOを取得していますか?」と聞かれることが多いそうです。
「医療系のお客様であれば、必ずISO13485認証について質問があります。以前は『取っていません』と答えるしかなく、『ただし、医療機器パーツの製造は何十年もやっているので、ISO13485のような取り組みはやっています』というのが精一杯でした」(杉本氏)
これが現在は堂々と「日本能率協会からISO13485認証を取っています」とアピールできるようになり、お客様からも「持っているのですね」と安心されることも多くあるとのこと。また、認証取得をホームページに載せたところ、それを見て「ISO13485を持っているなら、ぜひ仕事のお話をさせてください」と実際の引き合いがいくつも出てきているといいます。


6. JMAQAは審査を通して企業側のスキルアップをお手伝い

JMAQAに対する感想をうかがうと、杉本氏は「JMAQAの審査には満足していますが、とりわけ審査現場での審査員とのやりとりが勉強になっています。具体的な答えを教えるわけではないのですが、改善のヒントになるような質問をどんどんしてくれるので大いに役立っています」と教えてくれました。
「以前、別のISO審査機関でしたがその審査とは違って、審査を通して企業側をスキルアップさせてくれていると感じています」とも加えてくれました。

今後の取り組みたいテーマについては、まだ実現できていないこととして、ISO9001とISO13485でそれぞれマニュアルが存在しているので、その一本化を挙げています。「対象によってISOが異なると従業員が混乱しがちです。二つのISOの違い、使い分け方などを従業員にどのように理解してもらうのか、事務局側でいろいろ考えている最中です」(杉本氏)。

全従業員における、さらなるISOシステムの定着化には、今後も重要視して取り組んでいくそうです。
「一部の人間だけISOを認識して、一所懸命取り組んでも、それは浸透とは言えないでしょう。あくまで全員参加が目標であり、パートタイマーを含めて、ISOがどういうものなのかをきちんと頭の片隅に置いて日々の業務を担当する状態を目指します。もちろん、定着させるには根気強く継続的にやっていくことしかないと考えています」(杉本氏)。

■ISOを活用して今後も「高度なアッセンブリテクノロジー」を実現していきます。


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