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FSSC22000
(食品安全システム認証)

食の安全

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各認証の関係

登場人物

能率博士:大手食品メーカーでの品質保証部長経験あり。

いそくん:博士のご近所さん。惣菜メーカー勤務。

HACCPシステム認証の種類

いそくん:博士、調べてみるとHACCPシステム認証といっても当社が目指しているFSSC以外にも自治体HACCPや業界HACCPと呼ばれるもの、最近ではJFS規格なども聞くけど、何が違うの?

博士:国が「食品安全基本法」の中で掲げた「食品の安全性の確保」という理念に基づき作られた認証システムと、GFSI(世界食品安全イニシアチブ)が主導して、国を越えて食品が流通する現状を踏まえ、国際的な食品の安全性を担保するために認定した認証システムがある。国が主導しているものが業界HACCPや自治体HACCP、GFSIが主導しているものが、FSSCやJFSに該当する。

GFSIが主導するスキームとは?

いそくん:GFSIって何なの?

博士:GFSIとは「Global Food Safety Initiative(世界食品安全イニシアチブ)」の略称で、2000年にベルギーで設立された非営利組織。70カ国約400社、日本からも約80社の小売業や製造業などが参加しているよ。マクドナルド、コカ・コーラ、イオン、ウォルマートなどが参加しているんだ。

いそくん:小売業だけじゃなく、製造業や食品サービス業なども含まれているんだね。GFSIに認定されている食品安全の“しくみ”ってFSSC以外にはどんなものがあるの?

博士:FSSCを含めて9種類ある。
・BRC
・CANADA GAP
・FSSC22000
・Global Aquaculture Alliance
・Global Gap
・GRMS
・IFS
・Primus GFS
・SQF
日本でFSSCがもっとも広まった理由は、ISO9001やISO22000 を取得している企業が多く、ISOマネジメントシステムをベースにしたFSSCになじみが深かったと言われている。それ以外に他の規格と比べると日系の審査機関が多いというのもあるんじゃないかな。FSSCの国内の審査機関は17機関あるが、そのうち日系の審査機関は9機関、例えばSQFの国内での審査機関は外資系の8機関だけで日系の審査機関はないんだ。

いそくん:なるほどね。

博士:現在GFSIによって認定されている“しくみ”はイギリス、オランダ、ドイツ、アメリカなどすべて海外で作られた“しくみ”なんだ。そこで日本でも2016年に一般社団法人食品安全マネジメント協会立ち上げ、独自の食品安全マネジメントシステムであるJFS規格を公表して実際に審査機関が認証を開始しているよ。GFSIの認証システムとして承認されることを目指しているんだ(2018年1月時点ではまだ承認されていない)。

いそくん:JFS規格の特徴って何?

博士:JFS規格には、A規格、B規格、C規格がある。この中でC規格が国際取引レベルとしてGFSIの認証システムとしての承認を目指している。規格の特徴は日本発の規格だから原文が日本語だということ。翻訳による解釈違いが起きない。また、JFS特有の要求事項としては「現場からの改善提案の活用」がある。日本で以前から重視されていた現場の改善活動を取り入れた規格なんだ。

いそくん:JFSのA規格、B規格というのはどういうものなの?


博士:GFSIは食品安全マネジメントシステム以外にグローバル・マーケット・プログラムという食品安全プログラムを持っている。食品安全マネジメントシステムを導入していない製造業に対し、段階的に改善を促すためのプログラムだ。基礎レベルと中級レベルが設定されているJFSのA規格は基礎レベル、B規格は中級レベルに該当している。A,B規格は主に国内取引を想定したレベルだ。A規格は主に一般的衛生管理中心、B規格はHACCPシステムによる運用となっている。最終的にはC規格にステップアップできるように構成されているのもJFS規格の特徴なんだ。

業界HACCPや自治体HACCPの種類

いそくん:国内向けなら業界HACCPや自治体HACCPもあるよね。

博士:業界HACCPや自治体HACCPが国の何種類あるか知っているかい?

いそくん:よく知らない。

博士:業界団体によるHACCP認証は7あり、それぞれの業界・業種に限り認証している。自治体によるHACCP認証は44(2016年12月現在)あり、その自治体による認証だ。

いそくん:結構数があるんですね。業界・業種ごと、自治体ごとの認証となると、認証基準にも差が生じそうですね。

博士:特に自治体HACCPは、中小・零細企業の自主管理レベルの向上を目的としているところも多いから、段階的な認証を行っているところも多い。

いそくん:そうなってくると、自治体ごとの認証の基準も違うから、HACCP認証のレベルが比較が難しいですね。

博士:私もそこに課題を感じている。どの認証システムもコーデックスのHACCPをベースとしているから、最終到達点は同じかもしれないけど、業界HACCPや自治体HACCPの認証を取得しているからと言ってどのレベルにあるか業界や自治体が違えば判断できないんだ。今や食品は国内流通といえども、自治体や業界を越えて流通しているのが現状だから、共通の認証基準が設定されていることが望ましいね。

まとめ

HACCPシステムには、海外にも通用するGFSI(世界食品安全イニシアチブ)が主導する規格と、国内向けの食品安全基本法に基づいた規格の大きく2つにわかれます。

GFSIが主導する規格にはFSSCを含め9種類あり、最近では日本発の規格であるJFS-C規格も承認されました。

国内向けの規格である業界や自治体のHACCPはあわせて50種類以上ありますが、それぞれの認証基準が異なるため、今後は共通基準の設置が求められていくでしょう。

日本能率協会審査登録センターは、ISO22000、FSSC22000、JFS-C規格の国内登録総数No.1の審査機関です。

認証取得および認証取得支援サポートを行っていますので、規格に関するお問い合わせ、審査機関の変更方法なども、お気軽にお問い合わせください。

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