FSSC22000
(食品安全システム認証)
審査実績NO.1の審査機関だから安心!
審査および
認証取得支援サポート
FSSC22000とは
Food Safety System Certification 22000の略であり、FSSC22000財団(Foundation FSSC22000)によって開発された食品安全のためのシステム規格です。食品小売業界が中心の非営利団体、国際食品安全イニシアチブ(GFSI:Global Food Safety Initiative)により、食品安全の認証スキームの一つとして承認された規格になります。2024年3月時点で全世界では約34,000件の登録があります。
ISO22000の取得⽅法・取得の流れについて
FSSC22000の特徴
FSSC22000の特徴として
- GFSI承認スキームである
- 3パートから成っている
- バージョンアップが多い
- 非通知審査の存在
の4つが挙げられます。順に見ていきましょう。
1. GFSI承認スキームである
上にも書いてある通り、FSSC22000はGFSIが承認した認証スキームの1つです。そのためGFSIに参加している大手の食品小売業者はもちろん、それ以外でも取得の動きが広がりつつあります。食品安全をフードサプライチェーン全体で実現するという考えから、近年では食品製造業のみならず食品包材製造業や、飼料等製造業まで取得が波及してきました。
2. FSSC22000の3パート
FSSC22000は3つのパートから構成されています。
食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000と、前提となる衛生管理についての仕様書であるTS22002シリーズ、そしてFSSC22000独自の追加要求事項から成ります。
成り立ちとしては、食品安全を担保するHACCPシステムを含めた食品安全マネジメントシステム(ISO22000)を基本とし、ISO22000単体ではややあいまいな衛生管理についてISO/TS22002シリーズで具体化、そこにGFSIからの要求を含めたFSSC22000独自の要求事項が追加されたものです。
3. バージョンアップが多い
GFSI承認スキーム全てに言えることですが、バージョンアップの頻度が多いです。これは世の中で大きな食品事故が起きると、その対策について新たに要求事項が追加されるためと言われています。
ISO規格では10年単位で規格の改訂が行われるのに対し、FSSC22000は1年や2年でバージョンアップをしていきます。規格が根本から変わるような変更はあまりありませんが、バージョンアップに際して自社ではどの程度対応の必要があるのか確認し対応しなくてはなりません。審査機関によってもサポートの速さや充実体制が異なりますので審査機関を選ぶ際の1つの基準になるかもしれません。
4. 非通知審査がある
GFSI承認スキームでは「非通知審査」を原則3年に1度以上受けなくてはなりません。もちろんFSSC22000の審査も例外ではありません。
通常審査を実施する際は日程を決め、被審査側の同意をいただいてから伺います(通知審査)が、非通知審査は一定期間内の中で突然審査を行います。ある朝、突然審査員がやってきて審査を始めるのです。
食品安全の取り組みは定常的に行われていないと意味がない、とのGFSIの意向からこのような審査を行うことになっています。非常にハードルが高いと思われがちな非通知審査ですが、規模の大小を問わず国内だけでも約2,400社が取り組まれていることですので、あまり構えすぎずいつも行っている取り組みをきちんと説明できれば大丈夫です。
FSSC22000の対象組織
FSSC22000の対象組織は、食品製造業だけではありません。食品安全をフードサプライチェーン全体で実現するという考えから、近年では食品包材製造業や、飼料製造業、食品添加物製造業まで取得が波及してきました。カテゴリ一覧は以下の図をご覧ください。
認定機関:公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)
FSSC | 新カテゴリ | 新サブカテゴリ | ||
---|---|---|---|---|
- | A | 畜産・水産業(動物生産) | AI | 肉/乳/卵/蜂蜜のための畜産 |
- | AII | 魚及び海産物の生産 | ||
- | B | 農業(植物生産) | BI | 農業(穀類及び豆類を除く) |
- | BII | 穀類及び豆類の農業 | ||
- | BIII | 作物の加工前の取扱い | ||
◎ | C | 食品製造 | C0 | 畜産・水産-第一次処理 |
◎ | CI | 腐敗しやすい動物性製品(を製造するため)の加工 | ||
◎ | CII | 腐敗しやすい植物性製品(を製造するため)の加工 | ||
◎ | CIII | 腐敗しやすい動物性及び植物性製品の加工(混合製品) | ||
◎ | CIV | 常温保存製品の加工 | ||
◎ | D | 飼料及び動物用食品の加工 | D | 飼料及び動物用食品の加工 |
- | E | ケータリング | E | ケータリング |
- | F | 流通 | FI | 小売 / 卸売り |
- | FII | 食品の仲買 / 取引 | ||
◎ | G | 輸送及び保管サービスの提供 | G | 輸送及び保管サービスの提供 |
- | H | サービス | H | サービス |
◎ | I | 食品包装、及び包装資材の製造 | I | 食品包装、及び包装資材の製造 |
- | J | 装置の製造 | J | 装置の製造 |
◎ | K | 化学およびバイオ化学製品 | K | 化学およびバイオ化学製品 |
記号の見方
(注1)◎ | すべての活動がJABより認定を受けています。 |
HACCPやISO22000との違い
HACCPは安全に食品を製造するための方法論です。
この方法論をもとに規格化したものが自治体HACCPや業界HACCP、国際規格のISO22000や民間規格のFSSC22000等の規格です。
食品安全を実現するためのマネジメントシステムと言えば国際規格であるISO22000が有名ですが、ISO22000では手洗いや設備の衛生面等の一般衛生管理の部分が、少しあいまいな表現になっています。
FSSC22000ではISO22000 にISO/TS22002シリーズを組み合わせることで、一般衛生管理の部分をより具体的にしたものと言えます。
※ISO/TS22002シリーズとは:いくら安全に食品を製造できるHACCPが導入されていても、製造する設備が汚かったり、従業員の手洗いが不十分だったりすると、食品安全は実現できません。つまりHACCPシステムを運用するためには、前提が必要です。そうした要員や設備、製造場所の衛生管理についてまとめた仕様書がISO/TS22002シリーズです。
FSSC22000の取得メリット
FSSC22000の取得メリットは何より取得組織の信頼性が増すことです。実際に二者監査がなくなったり、項目が少なくなったりというメリットがあります。また、対外的に自社の食品安全への取り組みを説明するにあたって論理的に説明できるようになることもメリットの1つです。
今後は海外への輸出の際ますます求められるようになる規格の1つですので、今後輸出の予定がある企業は早めに取得を目指すのが良いでしょう。
FSSC22000取得方法
FSSC22000の取得方法は以下の図の通りです。以下のステップを1年~1年半程度かけて構築し、審査を受けて認証を取得します。
①現状分析・ギャップ診断スケジュール確認
まず現状の分析を行い、FSSC22000の要求事項と自社の取り組みのギャップを洗い出します。文書の整備や設備の更新、もしくは運用でカバーするのか等、基本方針とスケジュールを策定します。ただし、要求事項の文言通りに対応しようとすると工場設備の刷新や塀の設置など莫大な費用がかかってしまいます。要求事項に対して代替案を含めてどのように対応するのか、ここが取り組みで最も重要なポイントとなるため審査資格を持ったコンサルタントや、ISO研修事業部の講師派遣研修の利用がオススメです。
②キックオフ・教育訓練
食品安全の担当者だけではFSSC22000の運用は困難です。いかに現場の方も巻き込んでいくかがポイントとなるため、規格自体の解説や、必要性を訴える教育や経営者からの喝が必要になります。
③~⑤食品安全システムの構築
要求事項に書いてある文書類を作成します。いかに今使っている文書を紐づけ、文書量を少なくするかがポイントです。ここもコンサルタントや講師派遣研修を利用することで事務局の負担を大きく軽減できます。
また、食品安全の取り組み上、ポイントになるHACCPシステムの構築もここで行います。
⑥運用・教育
文書類やルールの整備が終わったら運用を始めます。従業員規模が大きければ運用にあたって再度自社の取り組みについて教育が必要になります。
⑦⑧内部監査、マネジメントレビュー
実際に自分たちでFSSC22000のシステムを運用してみて、内部監査を行います。内部監査を行うためには内部監査員が必要です。予め「外部講習の受講」等の要件を定めた内部監査員の資格を従業員に取得させ、その後に内部監査を実施します。自分たちで決めたルールや文書がしっかり運用されているかどうか、改めてチェックを行いましょう。もしもルールからの逸脱や運用が守られていない(不適合)があれば、原因を追究し是正処置を行います。その結果をマネジメントレビューのインプット情報として利用します。
⑨審査対応
内部監査、マネジメントレビューまで終了すると、FSSC22000のPDCAサイクルが1周したことになります。予め申し込んでおいた審査機関で審査を受けましょう。審査は日程の融通が利きやすいので、早めに申し込みましょう。目安は受審の半年前程度です。
FSSC22000内部監査のポイント
適合性の確認:ルール通り運用されているか?
ルール: ISO要求事項、組織で決めたルール、お客さまとの約束、法的要求事項
有効性の確認:計画どおりの結果が出ているか?
出したい結果は下記の2つ
①食品安全:人が消費する時点の食品安全が確保されていること
②目標達成:組織の目的や計画(食品安全目標、教育・訓練など)達成に向けて活動が確実に実施されていること
以下はPRP監査における、内部監査員が見るべきポイントです。
- 作業者の動き
- 作業者の服装
- 出入口の管理(衛生区域間の移動)
- 器具・原料の管理(配置、識別)
- 清掃状態(床、壁、天井、設備上下)
- 清掃道具の管理
Ver.6.0改訂について
主な変更点
■ISO/TS 22003-1:2022 への整合
- FSSC 22000が参照している審査運営に関する基準が2022年に改定された ➡ これに整合させる必要あり。
- 工数の算出方法、(サブ)カテゴリ分類の再整理
■持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する組織を支援するための要求事項を強化
- 食品ロス/食品廃棄(SDGs ターゲット12.3)が追加要求事項に設定されるとともに、品質側面へ領域を拡大
■継続的な改善としての編集上の変更および修正
- 従来から要求事項相当と位置付けていた内容の明記
■品質管理パラメータおよび食品安全/品質文化のスキームへの統合によるマネジメントシステムの有効性向上
Ver.6.0の規格解釈・移行支援研修はコチラ
よくあるご質問
審査・登録費用は、お客様企業が管理しているHACCPプランや従業員数、扱う製品等によって異なってきます。一例として20~30人規模の食品工場の場合、はじめて認証登録する年に175万円、2年目と3年目にはそれぞれ60万円、4年目は105万円(ISO22000 とFSSC22000同時取得の場合)が目安です。 実際の金額はお客様の規模・業態によって異なってくるので、都度、お見積りをさせていただきます。
認証の有効期間は3年です。初年度には登録審査、2年目と3年目に維持審査を受け、4年目には更新審査を受けていただきます。以降、維持審査を2回受け、更新審査を受けるというサイクルになります。
お客様企業の社内で認証取得の取り組みを決定した後、システムの構築を経て、実際に審査を受けて認証登録するまでの期間は1年程度かけているケースが一番多いです。もちろんそれより短期間で対応しているケースもありますので、取得希望時期などとあわせてご相談ください。一般的な構築のステップなどもあわせてご案内させていただきます。
審査基準が変わった場合でも、新しい基準を使った以降審査を受けることで認証は継続されます。維持審査や更新審査の中で、移行審査を同時に受けていただくことになります。
社長や工場長などの食の安全について責任がある方にトップになっていただき、全社的な取り組み体制が必要になります。社内のさまざまな部門から、メンバーを集めた食品安全チームなどを立ち上げるケースが多いようです。
FSSC22000についての
お問い合わせはこちら
FSSC22000についての無料お見積り
FSSC22000についてのお問い合わせはこちら
食品安全認証・規格の認証取得事例について
食品安全認証・規格に関する取得事例インタビューを掲載しております。日本能率協会では、インタビュー内にもあるように、様々なニーズやお悩みに対して幅広くご提案をすることが可能です。
新規取得、切り替えをご検討中の企業担当様は是非ごらんください。
メリーチョコレートカンパニー
Mary Chocolate FSSC22000
安心安全な製品づくりが、
社員一人ひとりの習慣になっていくことが理想
イートアンド
Eat-and ISO22000/9001
「ISOは自分たちの行動基準」が、
ISO9001で土台を築き、ISO22000で優先部分を強化
朋和産業
Howa Sangyo ISO22000
印刷業界の変化を先読みし10年前から準備 ISO22000でバックヤードを強化し顧客に安心を与え、 信頼の獲得をめざす
ナリヅカコーポレーション
Nariduka Corporation FSSC22000
個々の業務の役割が明確になり、
組織としてのリスク対応がレベルアップ
日油
Nichiyu FSSC22000
「安全・安心」のリスク管理でFSSCに取り組む
業務全般のマネジメントでの活用をはかる
石井食品
Ishii Syokuhin ISO22000/9001/14001・FSSC
新体制強化にISOを活用、強みを生かした仕組みで
新商品開発に意欲
日世
Nissei FSSC22000
顧客の要請、新工場内部統制強化のためFSSCを導入
技術の伝承とクレーム低減にデジタルメディアを活用
魚津漁業協同組合
Uotsu Gyogyo Kumiai ISO22000・FSSC
安全安心+品質重視のシステムを構築し、25人全員参加で効果的な運用につなげる
小岩井乳業
Koiwai Nyugyo JFS-C規格
JFS-C規格が食品安全への「気づき」につながり
自分達の「やりたいことができる仕組み」の実現へ
SOCSマネジメントシステムズ
SOCS Management Systems ISO22000
ISO22000事例「洗浄は生産工程の前準備」
SOCSマネジメントシステムの改革とは
日東ベスト
Nittobest ISO22000・FSSC・JFS-C規格
10工場・3規格(FSSC/ISO22000/JFS‐C)で認証取得
全社における食品安全管理体制のレベルアップにつなげる
ナラザキフーズ 釧路工場
Narazakifood JFS-C規格
事業と統合した仕組みを現場で導入し
外国籍従業員の活躍を促進 職場全体の活性化につなげる
明治チューインガム
Meijichuingam ISO22000・FSSC・JFS-C規格
食品安全システムの運用で全社で「絶対安全」意識を統一
多彩な仕掛けで現場力を向上、目指すは関係者全員の笑顔
濵田酒造
Hamadashuzou ISO22000/9001/14001・FSSC
Q・E・Fのシステムによる「年度方針表」に基づき
目標管理をトップから現場まで首尾一貫して運用
理研ビタミン 草加工場
Rikenvitamin ISO22000/9001/14001・FSSC
SDGs・DXに対する取り組みの見える化で
ISO業務の省力化・高度化を実現
ディスペンパックジャパン
Dispenpak ISO22000/9001・FSSC
世界唯一「パキッテ」製造をISOの考え方が支える
社会貢献を第一に“ものづくり”環境を実現
不二製油
Fujioil ISO22000/9001/14001・FSSC
ISOと事業活動を直結させ社会課題の解決に貢献
品質、環境、食品で認証取得しESG経営を推進