採用情報・審査員募集
審査員インタビュー 正田隆昭(まさだ たかあき)
審査員インタビュー 正田隆昭(まさだ たかあき)
経営コンサルとISO審査の両立
Q.
どのような経緯でISO審査員になったのですか?
A.
大学卒業後、輸送機器メーカーで海外生産工場の立ち上げや技術支援などの業務に従事していました。その後、経営コンサルティング会社に転職したのですが、輸送機器メーカー時代に培った生産技術や品質管理の知識をベースとしてISO審査員資格を取得し、JMAQAと審査員契約しました。30歳の時です。それから、20年以上が過ぎましたが、現在もISO審査員業務と経営コンサルティング業務の両方に従事しています。
Q.
30歳で新たにISO審査員の仕事を選んだのはどんな理由があったのですか?
A.
社会には多くの企業があり、企業が元気であることがよりよい社会には必要不可欠だと考えていたからです。私が経営コンサルティング会社に転職したのは、社会に不可欠な「企業」を元気にしたいとの願いからです。この想いを実現するにはISO審査員という仕事がベストだと考えて、チャレンジすることにしました。
Q.
審査員になるにあたってたくさんある審査機関の中でJMAQAを選んだのはなぜですか?
A.
日本能率協会は「経営革新の推進機関」を標榜しています。単に、ISOの審査をするというだけにとどまらず、企業の経営革新を推進するという根底の理念が、私の気持ちと非常に似ていると共感いたしました。ぜひ、JMAQAでISO審査に取り組んでみたいと思い、審査員に応募しました。
Q.
30歳という随分若い年齢でISO審査員になったのですね。
A.
当時は、右も左もわからず不安いっぱいでした。JMAQAの職員や審査員の方々は、経験も知識も、そして人間性も優れた方ばかりで、審査員としてはスキルに加えて人間性も重要な要素だと痛感したのを覚えています。 ただ、そのような方々に非常によく指導して頂いたお陰で審査員としての仕事ができるようになったことはとても感謝しております。また、そのような「助け合い」「教え合い」「支え合い」があるのが、JMAQAの風土だと思います。
JMAQA教育体制:「実践的な育成研修」+「先輩審査員からの技術伝承」
Q.
これから審査員になられる方も同じような不安があるかもしれません。
A.
JMAQAに来ていただければ、そんな不安も払拭されると自信をもっていいます。繰り返しになりますが、JMAQAには「助け合い」「教え合い」「支え合い」の風土があるように思います。風土は目に見えないですが、先輩審査員が自分の持っている知識や経験を積極的に開示したり伝承したりしていく風土があります。また、目に見える制度として、様々な教育制度が整備されています。
Q.
JMAQAの教育体制でとくによかったものを教えてください。
A.
たくさんありますが、特徴的な取組みの一つとして「実践審査塾」があります。この塾では、いわゆる定型的な研修ではなく、実際の審査現場を想定した実践的な研修の場であり、先輩審査員が実際の審査現場でどのような考え方でどのような審査をしているのか、を新人審査員に伝承しています。「目に見えない風土」と「目に見える制度」という、教育環境が充実していることはJMAQAの特徴だと思います。
一番のやりがいは審査指摘に対するクライアントやお客様の言葉
Q.
ISO審査業務のやりがいはどのようなところにありますか?
A.
審査をさせて頂いた企業、特に経営者の方の言葉が一番のやりがいです。これはどのような仕事も共通だと思うのですが、クライアントやお客様の言葉が一番のやりがいになるのではないでしょうか。JMAQAでは、審査後にアンケートを実施しているのですが、その中で「クレーム削減につながるきっかけになった」「業績向上のための改善の機会になった」といったご意見を頂けたときは、非常にうれしく励みになります。
ただ、毎回毎回の審査で反省点が多いのも事実です。常に反省と改善の繰り返しです。自分自身がまだまだ成長途上ではありますが、審査員として自分自身の成長に挑戦していけることもやりがいの一つです。
Q.
審査登録頂いている企業のニーズについてどのように感じていますか?
A.
規格への適合性です。それも「表面的な規格への適合性」ではなく、「本質的な規格への適合性」が求められていると思います。企業は生き残りや成長のために必死に努力しているのですから、当然のニーズだと思います。ISO審査では「適合性」を審査するのですが、この「適合性」という言葉は非常に意味深いと思います。 企業は「変化する経営環境」に「適合」することで、生き残り、そして成長することができます。反対に、変化する経営環境に「不適合」であれば、衰退の一途を辿ることになります。ISO規格は「品質」「環境」「食品安全」など、切り口は違えども、本質的にはこの「変化する経営環境への適合」を要求しています。このような「変化する経営環境への適合性」の観点での審査、そして、本質的に企業に有益なアウトプットを提供する審査が求められています。
これからも審査を通じて「企業の変革」をお手伝い
Q.
ISO審査業務を通じて達成したいことは何ですか?
A.
いま、「SDGs」や「Well-being」が叫ばれております。これらは一過性の流行ではなく、後戻りできない「大きな時代の変化」です。私はこの時代の変化は「人々が幸せに生きていける社会に変えていこう!」ということだと思います。社会が変わるためには、社会の重要な構成員である「企業」も変わらなければなりません。あるいは、変わりゆく社会の中で生き残っていくためには「企業」も変わらなければなりません。
いずれにしても、いま、企業には「変革」が求められています。これは、先ほど申し上げた「変化する経営環境への適合」と同じ意味であり、ISO審査は企業の変革を促進するために重要な使命があると考えております。ISO審査業務を通じて「企業の変革」をお手伝いして、そして、「人々が幸せに生きていける社会」の実現に微力ながら貢献したいと考えております。
JMAQAで一緒に「最高品質の審査」をやりましょう
Q.
最後に、これから審査員を目指す方々にメッセージを!
A.
いま、JMAQAは「最高品質の審査」を目指して、職員及び審査員が一丸となって取り組んでおり、非常に志の高いISO審査登録機関だと思います。年齢や経験に関係なく、志の高い方々には、ぜひ、挑戦して頂きたい仕事だと思います。一緒に「最高品質の審査」を目指す仲間・同志が増えれば、とてもうれしく思います。
正田隆昭審査員のお仕事の1日の流れ
ISO9001審査チームリーダーで活躍する1日です(例)。
1日目
- 8:00
- ホテル出発
- 8:30
- 審査先の組織に到着し、経営者や管理職の方々にご挨拶をします。
- 9:00
- 初回会議を開催し、審査の概要を説明します。
- 9:20
- インタビュー:業績概況、将来ビジョン、経営環境、重要経営課題、マネジメントレビュー、目標達成状況などをヒアリングします。
- 10:00
- 管理責任者インタビュー:マネジメントレビュー、内部監査、顧客満足、改善への取り組みなどを確認します。
- 12:00
- 審査まとめ:昼食を軽くとり、午前中の審査のまとめをします。審査チームメンバーとも情報交換もします。
- 13:00
- 品質保証部審査:不適合管理、再発防止活動などをの審査をします。
- 14:30
- 営業部審査:営業活動や顧客満足度調査などを中心に審査をします。
- 16:00
- 審査まとめ:本日の審査のまとめをします。
- 16:30
- 日々会議:本日の審査結果を組織に伝え、事実確認をし、合意を得ます。
- 17:00
- 1日目終了
- 17:30
- ホテル到着、審査チームメンバーと情報交換を兼ねて会食します(コロナ中は自粛)。
- 20:00
- ホテルに戻り、本日の審査結果のまとめ作業とともに、翌日の審査の準備をします。
2日目
- 8:00
- ホテル出発
- 8:30
- 組織に到着
- 9:00
- 開発部審査:製品開発業務を中心に審査をします。
- 12:00
- まとめ:昼食を軽くとり、午前中の審査のまとめをします。審査チームメンバーとも情報交換もします。
- 13:00
- 製造部審査:製造業務、検査業務を中心に審査をします。とくに、工場現場審査に時間をかけます。
- 16:00
- 審査報告書作成:最終会議での報告に備え、審査報告書の作成をします。
- 16:30
- 最終会議:経営者、管理責任者、各部長などに対し今回の審査結果等について説明し合意を得ます。
- 17:00
- 審査終了:2日間の審査が終了します。
- 18:00
- 最寄りの駅より帰路につきます。
審査員紹介
正田隆昭(まさだ たかあき)
日本能率協会審査登録センターにおいて、ISO品質・環境・労働安全衛生・情報セキュリティの各マネジメントシステムの審査業務に従事。また、経営コンサルティング会社にて、中堅・中小企業の経営コンサルティング業務にも従事。中小企業診断士。