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マネジメントシステム改善のポイント

【連載:効果的な運用事例 新陽電機 様 [ISO9001] 】

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【連載:効果的な運用事例 新陽電機 様 [ISO9001] 】

取引先の認証取得に対応
実務に即した仕組み作りで品質向上を実現


取材先:株式会社新陽電機 代表取締役 関根 儀治 様(右)
                部長 高居 昌巳 様(左)




株式会社新陽電機様(本社:新潟県長岡市寺泊坂井町9769番地)は、取引先であるN社様の一次外注先にあたり、N社様が自動車産業を対象とした国際規格・IATF16949に取り組んだことをきっかけに、自社でも2018年にISO9001の認証を取得されました。
その取り組みにおいて品質マネジメントシステム(QMS)を構築して、いままであった手順書をマニュアルに従い再統合して、取引先に収めている自社製品の品質向上につなげています。新陽電機様では、人手不足と作業者の高齢化など、さまざまな課題をかかえる中で、教育訓練の充実ほかの取り組みを進めています。今回は社長の関根儀治様と統括部長の高居昌巳様にお話しをうかがいました。




1.取引先の要請を受けてISO9001の認証に取り組む

Q.新陽電機様は2018年11月にISO9001の認証取得をされました。その動機と経緯についてお聞かせください

関根社長  自動車部品の製造業務を発注してくださる取引先のN社様が、自動車産業を対象とした国際規格であるIATF16949に取り組むことになりました。同規格には一次外注先はISO9001を取得することを求めています。それがきっかけとなって、ISO9001取得へと向かいました。同時に私たちは製造業であることからしてみても、いずれはISO9001の取得をと考えていましたのでよい機会となったともとらえています。認証の対象製品は主にタコメーターなどの自動車関連の部品となります。



今回の取り組み判断に至るまでには、ちょっとしたこみ入った経緯があります。
まず私たちはN社様の一次外注先にあたりますが、N社様に製造業務を発注しているS社様があります。S社様からは私たちは二次外注先にあたります。10年ほど前、S社様がISO/TS16949(当時)を取得されたとき、当社もどうかとお声がかかりましたが、その際は、二次外注先にあたるので規格の要求には該当しなかったので、取得には至りませんでした。ただ社内ではせっかくの機会なので勉強会なども実施していたので、その経験は今回生かされています。
その当時、N社様はISO9001認証を取得して、さらにIATF16949に取り組んでおり、N社様から当社は一次外注先にあたりますので、私たちも今度こそと、今回取得へと踏み切ったのです。


2.しっかりした手順書がある状態で品質マニュアルを再整備

Q.システム構築をはじめて実際に審査を受けるまでの準備でご苦労されたことはありますか。

高居部長  まずは大変でしたというのが率直な感想です。それまでに何度か認証取得を目指して経緯がありますから、手順書や作りかけの品質マニュアルなどはあるにはありました。ただ、準備をしていた頃はまだISO9001の旧版でした。それが2015年版になって内容ががらりと変わってしまったので、揃えていたものを大幅に手直しすることになり、そのあたりに苦労しました。章立てなども変わったことから、マニュアルの中身を大きく変更せざるを得なかったからです。

また、文書類の紐付けなどにも試行錯誤しました。といいますのも、なにしろ、2015年版を想定していなかったことだけでなく、文書類をまとめるマニュアルを作ることについて、私たちはほぼ初心者だったからです。

実は、以前から顧客のクレームに対する手順書などは存在しており、内容的にもしっかりしたもののはずです。たとえば発注をいただいた部品などに不良が出ると、再発防止策などを含めて手順の見直しを行い、発注先に報告することが必要でした。ですからマニュアルよりもしっかりとした手順書が先にできていたという状態だったのです。

そこで今回、品質マネジメントシステムのためにマニュアルを整備していったのですが、マニュアルの中ではどことどこを具体的に業務に紐付けるかなど、理屈では理解しているのですが、実際に行うとなるとわからない点も多々でてきたのです。


 
関根社長  現場は仕組みをすぐにでも使いたいが、現場で使っている下位の手順書を生かすために、ちょっとずつ中途半端な中身のマニュアルを繰り返し直す、というようなことをしていました。あとで考えてみると、マニュアルをまっさらな状態にして、最初から作った方が早かったのではないかとも思います。

また、内部監査についてもとまどいがありました。普段、経験したことがない活動なので、質問する側も十分な理解をしていないし、される側も何を聞かれているのか十分に把握していない、当初はこんな状態のまま進めていました。


3.内部監査の活用が課題

Q. 外部コンサルタントにはどの程度支援してもらったのですか。

高居部長  平均して月に1回お願いしています。ただ内部監査のある月だけは2回来てもらいました。本社と長岡の工場の2カ所、全員参加で1年間かけて取り組みましたが、コンサルタントに入ってもらったことでだいぶ違ったと思います。

とりわけ内部監査には最初はとまどいはありましたが、重要だと考え力を入れてきています。今年の11月で認証登録から1年が経ち、内部監査も2回行っています。今年の内部監査については1回目の同じメンバーで臨みことにしています。

はじめての内部監査は、とにかく監査をやることに慣れてもらうのが目的でした。監査のやりとりなどはまとまどう場面がだいぶ見受けられましたが、2回目になって少しは慣れてきたようです。今後、内部監査員には力をつけてもらい、監査の場をより有効活用していきたいと考えています。

Q.内部監査では、審査機関の審査のように、規格要求事項に照らし合わせて、できているか/いないかを確認する、イエス/ノーで答えてもらう、こうしたやりとりをよくみます。もちろんよいのですが、自分たちのビジネスに役立つような要素も盛り込むなど、より自由に考えていただいて構いません。

高居部長  ISOの仕組みや要求事項などについて、少し堅く考えていた部分もあります。内部監査についても、実務ができている/できていない、といった視点を持つ云々ではなく、むずかしい質問を想定しやり取りする内容自体に悩んだりして、本当にこれでいいのかと考えすぎていました。今後の運用では、もっと自由に考えて内部監査をやっていきたいと思います。


関根社長  ただ初回審査を振り返ってみると、内部監査をなんとかやったおかげもあったのでしょう。日本能率協会審査登録センター(JMAQA)による審査は思った以上にスムーズで、指摘をもらった内容も簡単に是正できるものばかりでした。

高居部長  審査については2人の審査員が来て、1日で2つの工場をそれぞれ見てもらいました。心配はありましたが、それぞれの管理者がしっかりとした回答をしてくれて心強かったです。

4.システム構築活動で業務の中でぼやけていた視点がはっきりしてくる

Q.認証の後と前で、何か会社や業務に変化はありましたか。

関根社長  大きくは変わったのは自分の仕事に関する品質に対する考え方でしょう。ISOの認証取得を契機に、業務の中でぼやけていた視点がはっきりしてきており、マニュアルに沿って何をどうすれば良いかが具体的に見えてきたようです。

高居部長  たまたまですが、今年1年、取引先にさまざまな規格の認証を受けた会社が増えており、ISO9001を取得した話がよく話題にあがります。そのおかげで、取引先からの印象も良く、お取引がより円滑になる部分もあったと感じています。



Q.取引先のN社様からも監査を受けていますか。

関根社長  はい。年に1回です。材料や治具など品質にかかわるあらゆるものはN社様から支給されるので受入検査などはN社様が実施します。私たちへの監査は品質全般についての監査です。ISO9001を取得したことで、この監査の工数が軽減化されていくと期待しています。

5.マニュアル作成で担当業務の目標が明確化される

Q.新陽電機様がもともと持っていた強みに対して、今回のISOシステムの導入が役立った点を教えてください。

関根社長  当社は下請け会社なので基本的には取引先会社の方針と指示にのっとって製造業務を行っており、現場仕事の進め方などについて自分たちの判断で大きく改善することは難しいのです。

ただ、マニュアルが再整備されたことで、自分の仕事の目標がはっきりして、やらなくてはならないことが具体的に明確になりました。このことは従業員の担当業務への意識づけとういう点で、大いに役に立っています。

また、いままで先輩に口頭で言われていたことが、文書化されたことで誰にでもわかる形になりました。教育訓練においても、朝の作業者用テキストの輪読なども、職場の理念の意識を共有することにつながっていると思います。


●毎日の朝礼で「作業テキスト」と「職場の教養」を読み合わせています。

6.リスクと機会の視点でコツや技術の継承の仕組みを充実させる

Q.今後の取り組み目標をお聞かせください。

高居部長  ISO規格に出てくるリスクと機会に着目しています。当社も作業者の高齢化が進んでいますが、作業にはベテラン社員のコツや技術が必要となる場合が多いのです。ですから、そのようなコツや技術をいかに継承するか、教育訓練していくかが今後の当社の目標だと考えています。人材の採用を含め、人材育成について、ISOの仕組みを活用してこれまで以上に取り組んでいきます。


●新潟県長岡市寺泊の本社屋。



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