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HACCPからFSSCへのステップアップ

登場人物

能率博士:大手食品メーカーでの品質保証部長経験あり。

いそくん:博士のご近所さん。惣菜メーカー勤務。

いそくん:博士、“FSSC”って何?どうやら当社はFSSCの認証取得を目指すみたい。

 

博士:FSSCか~。社員一丸となって取り組んだことを思い出すな~(涙)
FSSCとは正しくは「FSSC22000」といい、「ISO22000:食品安全マネジメントシステム」「ISO/TS22002-1などの食品安全のための前提条件プログラム」「FSSC追加要求事項」からできている。日本語に訳せば「食品安全システム認証」つまり、安全な食品を作るしくみのことだよ。

FSSC22000の枠組み

いそくん:安全な食品を作るしくみならHACCPも同じだよね。FSSCと何が違うの?

博士:FSSCはHACCPをベースに作られた国際規格なんだ。HACCPは食品安全を確保加工製造工程を作り上げる方法論だけど、FSSCは、これに加えて基本的な衛生管理など信頼できる工場運営として求められる活動が含まれているんだ。

いそくん:博士・・・もう少しわかりやすく教えてくれない?


博士:それじゃいそくん、いそくんが担当していた鶏のから揚げを安全な製品として安定して作るために必要なことは何だったかな。

いそくん:殺菌条件を満たすために、油温を一定に保つことと、揚げ時間を一定にすること。

博士:そうだね。「油温を一定に保つこと」「揚げ時間を一定にすること」を可能にするためにはどんなことが必要かな?

いそくん:原料となる鶏もも肉の温度を一定に保つこと、あとは設備がちゃんと動くように点検することかな。

博士:その通り、管理点がわかっていてもそれが期待通りの効果を出すためには、前提となる条件があるということだ。FSSCでは、冷蔵庫の管理や設備のメンテナンス以外にも、清掃手順や防虫防鼠管理、人の行動ルールなどを「前提条件プログラム(PRP)」と呼んで特に力を入れているんだ。

いそくん:確かに、現場でもユニフォームの管理や手洗い方法など、徹底して指導しているよ。いくら殺菌条件を正確に設定しても、その製品を扱う作業者の衛生状態が良くなければ作業者自体が汚染源になってしまうということか。

博士:HACCPシステムは、「前提条件プログラム」がきちんとできていて初めてその効果が発揮されるというわけだ。

いそくん:「前提条件プログラム」ってとても大事なのは分かったけど、どこの会社でも同じ内容なのかな?

博士:食品製造業と言っても、惣菜や清涼飲料水、鮮魚、レトルト食品など様々だ。「前提条件プログラム」の内容は扱っている製品の特性によって変わるよ。各業界や国が出している「衛生規範」が参考になる。ただし、気を付けなければならないポイントは同じと考えていい。それをまとめたのが「ISO/TS22002-1」という食品製造業向けの前提条件プログラムという技術仕様書なんだ。

 

いそくん:なるほど。やり方は違うけど管理すべきポイントは同じということだね。

博士:HACCPとFSSCの違いにはもう一つある。HACCPは工程管理に特化した方法論だけど、FSSCはISO22000をベースとしたマネジメントシステムだということだ。

いそくん:ISO22000のマネジメントシステムの特徴を教えて!

博士:食品に求められる安全性ってお客様の要求や社会環境で変わることがあるよね。

いそくん:本当だね。どんどん厳しくなってきている。特に虫や毛髪混入は製造現場でもすごく気にしているよ。そういえば品質保証課長が「昔はこんなものはクレームにならなかったのにな~」とつぶやいていた。

博士:そうなんだ。お客様の要求レベルや社会環境の変化に応じて会社自体もどんどん改善をしていかなければならない。ISO22000のマネジメントシステムではこの改善をPlan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Act(改善)のPDCAサイクルで実現しているんだ。

いそくん:HACCPもPDCAサイクルになっているんじゃないの?

博士:いいところに気づいたね。HACCPプランを作成(P)して、工程を管理(D)し、結果を評価(C)して、必要があればHACCPプランを含めた工程管理手順を見直す(A)というのは同じだよ。この考え方はそのままISO22000にも含まれている。

いそくん:工場全体だからもっといろいろな管理のポイントがあるんだよね。

博士:例えば教育・訓練。HACCPプランを設定しても、その仕組みを運用管理できる人がいないとHACCPプランが管理できないよね。また、前提条件プログラムは全員が守らないと意味がない。繰り返し確認しないと「忘れてた、知らなかった」ということになりかねない。だから計画的な人材育成と定期的な知識や手順の確認が必要になるんだ。測定機器の管理も同じ。正確な測定機器で監視しないとその結果が信用できないものになってしまう。

いそくん:「今」が大丈夫じゃなくて、継続して安全な環境を維持することが大切なんだね。

博士:ISO22000では、望ましくない結果への対応も予め決めておくことも必要なんだ。製品回収が発生した場合を想定して、誰がどのように行動するかを予め決めておき、定期的に訓練することが要求されている。不適合品が発生したときも、2度と発生しないような対策を実施しなければならない。

いそくん:想定外を含めた食品安全を維持できる仕組み作り、そして想定外が起きないようにお客様の要求や社会環境の変化を見逃さずに、仕組みを改善していくことが大切なんだね。

博士:HACCPシステムが構築できたなら、FSSCにステップアップするためにやるべきことは2つだ。1つ目はその土台となる前提条件プログラムを「ISO/TS22002-1」などの技術仕様書で検証し、自社にその仕組みがあるかどうか確認すること。これはよく“ギャップ診断(分析)”と呼ばれて、技術仕様書の要求事項と自社現場の実態管理の差を調査することを指すんだ。自社でやる場合もあるし、外部の専門家に依頼することも多いよ。2つ目は、工場の経営の仕組みをISO22000の要求事項に合致させること。

いそくん:なんか、遠い道のりに思えてきた。

博士:そんなに心配しなくてもいいよ。ISO22000要求事項の内部監査の活動はないかもしれないけれど、他の活動は既にあると思うよ。大切なことは、どのようなルールで運用されているかを“見える化”することだ。一番大変なのは、仕組みを作ることではなく、その仕組みを従業員に周知してルールを徹底することなんだ。私もFSSC構築を通して、食品安全は人づくりだってことを痛感したよ。がんばってね。

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