【JMAQA AWARDS 2019】開催報告
日本能率協会審査登録センター(JMAQA)では、組織様のISOマネジメントシステムのさらなる活用のお手伝いのために、2018年より「JMAQA AWARDS」を開催しております。本アワードは、JMAQAにご登録いただいている組織様を対象とし、事業とマネジメントシステムを一体化させることで、ISOを上手く活用し成長している組織様の取り組みを称え、紹介するための表彰制度です。
2回目である「JMAQA AWARDS 2019」は、審査員からの推薦組織の中から選考委員会の審議を経て、5組織の受賞となりました。2019年3月12日(火)、東京・グランドプリンスホテル高輪に於いて、「JMAQA AWARD 2019」の表彰式と受賞組織事例発表会を開催しました。当日の模様をご紹介します。
◇「JMAQA AWARDS 2019」受賞組織名 (50音順)
協和エクシオグループ
九鬼産業株式会社
株式会社大日電子
福井鋲螺グループ
丸専化学株式会社
◇受賞された5組織様 表彰式後の記念撮影
写真左より
一般社団法人日本能率協会 会長(日本能率協会審査登録センター 上級経営管理責任者)中村正己
株式会社エクシオ MS推進室 野中高男 様
九鬼産業株式会社 代表取締役社長 田中啓之 様
株式会社大日電子 常務取締役 杦本知仁 様
福井鋲螺株式会社 常務取締役 打本純也 様
丸専化学株式会社 管理部部長 小林善仁 様
◇受賞組織様ご紹介(50音順)
●受賞組織 協和エクシオグループ 様 (http://www.exeo.co.jp/)
●受賞テーマ 複数マネジメントシステムの運用と独自の取組みよる認証効果の見える化
株式会社エクシオ MS推進室 野中高男 様(右)
●取組み概要
協和エクシオグループ様は、株式会社エクシオ様、株式会社エクシオテック様、大和電設工業株式会社様の3社から構成されている。業務内容は、主に電気通信設備・土木設備・電気設備・環境設備に関する設計、施工及びエンジニアリングサービス並びにソフトウェアの設計、開発、製造及びエンジニアリングサービス。 現在4つのマネジメントシステム(QMS・EMS・OHSMS・ISMS)を認証取得している。グループマニュアルの制定、各社手順の統一化などを図り、エクシオグループの業務品質の平準化と効率化を進めている。
●審査員の声
ISO認証取得の効果を測るために、いくつかの指標を決め経年の実績からデータをまとめ分析している。
●組織概要
所在地:東京都
認証取得
ISO9001:1999年
ISO14001:2000年
ISO/IEC27001:2004年
BS OHSAS18001:2003年
●MS推進室 野中高男 様のコメント
マネジメントシステム運用の効率化を図るため、4つのシステムの一本化を進めてきました。2015年版改定を機に、グループ各社個別のMSマニュアルをMS分野毎にグループ統一マニュアルに改善しました。同時に、グループで一本化した各マニュアルから各社は保有する社内規定等を参照する体系に整備しています。この一本化したシステムでグループ認証を取得し、一つの方針・施策で協和エクシオグループ全体を動くようにしており、効率的に仕組みを運用しています。
今後の取組みについては、課題を見つけて改善効果を生み出すシステムを目指していきます。2015年改定によってISOシステムと事業との一体化が進んでおり、私どもも20年前の初心に帰って今のシステムの見直しを行い、ビジネスで有効活用できる仕組みを目指して改善していくつもりです。
●受賞組織 九鬼産業株式会社 様 (http://www.kuki-info.co.jp/)
●受賞テーマ 複数マネジメントシステムを活かした事業運営
九鬼産業株式会社 代表取締役社長 田中啓之 様(右)
●取組み概要
九鬼産業株式会社様は、創業1886年(明治19年)の老舗企業である。業務内容は、胡麻油、ネリ胡麻、いりごま・すりごまなどの食品胡麻、ごましおなどの胡麻加工品の企画開発、製造及び販売している。
現在5つのMS(QMS・FSMS・FSSC・JFS-C・BCMS))を認証取得しており、ISOの認証取得と運用に積極的に取組まれている。また教育訓練にも力を入れており、従業員への教育訓練や資格取得の機会の提供、「行動目標」に設定した事による成果の見える化、それに応えた取り組みは品質面、環境面、食品安全面における“人財”育成として有効である。
●審査員の声
経営面で事業と各マネジメントシステムの統合が上手くいっている。
●組織概要
所在地:三重県
認証取得
ISO9001:2010年
ISO22000:2008年
FSSC22000:2012年
JFS-C:2017年
ISO22301:2014年
●代表取締役社長 田中啓之 様のコメント
5本の仕組みを導入したことで、マネジメントシステムに関する知識の向上・理解を深めることができて、従業員のモチベーション向上につながっています。そのために現場を中心に組織全体が活性化し、さまざまな活動内容のレベルアップが実現しました。結果として、売り上げ向上、生産量アップなどの経営面における大きな効果が得られています。
今後の取組みとして、5つのマネジメントシステムを有機的につなげて、他社のマネではなく九鬼産業としてのオリジナルの仕組みにして、経営面で有効活用していきます。
●受賞組織 株式会社大日電子 様 (https://www.dainichi-el.co.jp/)
●受賞テーマ 「全員参加によるQ(品質)C(コスト)D(納期)S(安全)M(士気)活動」の実践
株式会社大日電子 常務取締役 杦本知仁 様(右)
●取組み概要
株式会社大日電子様は、中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」や大阪府「大阪ものづくり優良企業賞」、第2回宇宙ベンチャー大賞等外部よりの数々の受賞を受けて高く評価されている企業である。業務内容は、電気通信機器の設計、製造、工事、保守を行っている。
『企業の品質は人』として品質マネジメントシステムを1999年から約20年、長年にわたり運用している。シェアの拡大戦略で徹底した顧客志向にて設計開発及び製造、工事による経営戦略で優良かつ堅実な経営をしている。
●審査員の声
株式会社大日電子様の行っている「全員参加によるQ(品質)C(コスト)D(納期)S(安全)M(士気)活動」の取組み内容を他の組織に知ってもらいたい。
●組織概要
所在地:大阪府
認証取得:ISO9001:1999年
●常務取締役 杦本知仁 様のコメント
ISO9001を認証取得して20年経ちました。振り返ってみると、社内のさまざまな課題をISOマネジメントシステムを利用して解決してきました。とくに事業承継の場面では大いに役立っています。社長は本人一人でいろいろとりまとめて会社全体を引っ張っていくタイプです。社長が担当しているさまざまな業務について事業承継を前提に、役員を含めて組織の皆で分担・共有できるような組織体制を目指しています。その際に、ISO9001の品質マネジメントシステムの仕組みが大いに役立っています。 今後は、さらにビジネスを伸ばすためにも、組織力の強化を重視しており、そのためにISO9001を活用していきます。
●受賞組織 福井鋲螺グループ 様 (https://www.byora.co.jp/)
●受賞テーマ 「複数マネジメントシステム」と「事業計画/事業戦略」との統合運用
福井鋲螺株式会社 常務取締役 打本純也 様(右)
●取組み概要
福井鋲螺グループ様は、自動車、電気、医療機器向けの微小・特殊形状金属部品の設計・開発、製造を行っている。冷間鍛造技術及び製品の設計・製造はもとより、金型及び生産設備も自社製作している一貫生産を強みとしている。来年度に創業60周年を迎える。
QMS、EMS、MD‐QMS、IATF16949の統合マネジメントシステムを構築しており、IATF以外をJMAQAで認証している。すべてのマネジメントシステムが中長期の事業計画及び事業戦略の実現に向け統合した取り組みとなっている。あくまで、それぞれの成果を得るための仕組みであり、ISO審査のための活動はない。
●審査員の声
複数マネジメントシステムの統合マネジメントの実効性を高めるための工夫がされている。
●組織概要
所在地:福井県
認証取得
ISO9001:1998年
ISO14001:1999年
ISO13485:2010年
●常務取締役 打本純也 様のコメント
福井鋲螺グループは、基本理念として『より良き品を創意と熱と人の和で』を掲げ、「快適な暮らしを支える企業」として、また「環境にやさしい生産活動を実践する企業」として、社会に貢献しながら発展し続けることを目指しています。この基本理念の実現に向けてISOマネジメントシステムを経営ツールとして活用してきました。
今後もより一層、統合マネジメントシステムを活かした事業活動を推し進めながら、品質と生産性のさらなる向上を目指すと共に、環境配慮型生産活動の強化に努めていきます。
●受賞組織 丸専化学株式会社 様 (https://marusenkagaku.wixsite.com/marusen)
●受賞テーマ 独自の「内部監査手法」による、内部監査の有効性の強化
丸専化学株式会社 管理部部長 小林善仁 様(右)
●取組み概要
丸專化学工業株式会社様は、瀬戸内海でも有数の工業都市”坂出”に工場を構え、建築内装材『パテ』の生産に取り組んでいる。業務内容は、主に内外装用建築材料としての下地調整材の設計、開発、製造を行っている。
品質マネジメントシステムを2000年から約19年運用している。「内部監査」は、「QMS外部審査に備えて実施するモノではなく、自ら『会社』のQMS上の課題(問題点)を検出し、QMSの改善に役立てる手段である」ということが社内に周知徹底されている。その結果、効果も具体的な成果として実現され、有効性が高まってきている。
●審査員の声
独自の内部監査手法により成果をあげている。
●組織概要
所在地:香川県
認証取得:ISO9001:2000年
●管理部部長 小林善仁 様のコメント
私どもは建築内装材『パテ』の生産に取り組む企業です。ハウスメーカー様をはじめとする需要家の皆さまからのご信頼・ご愛顧をもとに、安定した製品の供給と、新たな「製品」「工法」「技術」「解決」「価値」をともに作り出しています。その際、ISOのマネジメントシステムが大いに役立ってきました。
製造メーカーとしては、顧客満足の向上の実現が最重要であり、今後は、内部監査の有効活用を含めてISOの仕組みを効果的に回し、よりよい品質管理体制を組んで地道に取り組んでいきます。同時に、新たな「価値」の創造に向けての取り組みについても、今以上に加速させていく予定です。
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