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ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)

ISO 9001は品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
最も普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。

品質マネジメントシステムに関する基礎知識

ISO9001は国際標準化機構(International Organization for Standardization)が発行した品質マネジメントシステムの国際規格で、原文の名称は「ISO9001(Quality management systems-Requirements)」。
規格というと、ねじや部品など製品規格や安全規格・試験規格などが思い浮かびますが、ISO9001は組織のマネジメントに関する規格です。

現在、このISO9001を使った第三者認証制度が運営されており、世界中の約90万もの組織が認証を取得しています 。
規格はISO9001、ISO14001など規格ごとに文書になっており、それぞれ用語の定義や組織に求める項目(規格要求事項と言います)が記載されています。

規格要求事項は例えば、「組織は○○を明確にすること」というようなものです。組織は記載されている要求事項を全て満たすことで、規格に適合していると宣言できるようになります。

しかし、自分で規格適合の宣言をしても説得力に欠けます。そこで登場したのが審査機関による認証登録です。
ISO9001の認証登録する審査では、ISO9001の規格要求事項に組織側の仕組み(システム)が適合しているかどうかを、審査機関に属する審査員が第三者の立場から確認します。ISO9001の規格初版は1987年に発行、その後改訂を重ね、第5版である最新版はISO9001:2015で2015年9月15日に発行されています。なお、同年11月20日に発行されたJIS Q 9001:2015は、ISO9001を邦訳したもので、名称は「品質マネジメントシステム-要求事項」です。

ISO9001の章構成は、1.適用範囲、2.引用規格、3.用語及び定義、4.~10.品質マネジメントシステム要求事項です。2015年改訂版から、附属書SLに記述されたISOマネジメントシステム規格に共通に適用される用語及び定義、共通構造、共通テキストが採用されています。

ISO9001の規格要求事項についてご紹介します。

「4.組織の状況」では、ISO 9001の全体的な方向付けをしています。自分たちの取り巻くさまざまな状況の把握を行った上で、事業プロセス(本業)とISOマネジメントシステムを一体化させていくことで、顧客満足のさらなる向上と強い組織体制の作ることを目指しています。

具体的には、組織の状況と利害関係者のニーズを把握して、適用範囲を決めて、具体的にそれを実行する体制を含めたシステムを構築することが必要です。組織の状況を評価する方法としては、SWOT分析やタートル分析等が推奨されており、必要に応じて使ってみるのもいいでしょう。

なおこの箇条4では「リスク及び機会」を明確にすることを求めていますが、そのためにはまず「内部/外部の課題」及び「利害関係者のニーズと期待」を確定することが先決です。その上でリスクを特定することになります。ISO9001では以下の手順でリスク及び機会を明確にすることが一般的です。

図表 ISO9001:2015におけるリスク及び機会の明確化

ISO9001:2015におけるリスク及び機会の明確化

「5.リーダーシップ 」では、ISO9001のシステムはトップマネジメントが責任をもって取り組むことを求めています。リーダーの役割としては、説明責任をもってトップダウンで進めることが必要です。トップが責任を持って、「自分たちはこのような考え方で管理している」ということをしっかり説明できる体制にしておくことが求められています。ISO9001の旧版では、管理責任者という用語があり、トップが管理責任者に任せるケースがありましたが、2015年の改訂では削除されて、リーダーシップが強調されるようになりました。

「6.計画」では、品質マネジメントシステム(QMS)のPDCAサイクルの計画を作ること(=P)を求めています。この箇条では「6.1 リスク及び機会への取組み」を通じて、「6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定」という流れで取り組むことになります。
QMSが意図する結果を達成するためには、箇条4で明確にした組織としての外部・内部課題と、利害関係者のニーズおよび期待を、組織として具体的な項目として明確に把握しておくことが重要になります。

図表 品質目標設定プロセス(6.1.2に関連します)

品質目標設定プロセス

「7.支援」は、品質マネジメントシステムを運用するための資源(支援)についての要求事項です。ここでは「人的資源」「インフラストラクチャ」「プロセスの運用に関する環境」「監視及び測定のための資源」「組織の知識」について、規格が求める内容に対応する必要があります。

自分たちに必要な資源を決定する際には、内部資源がどれくらい活用できるか、どのような資源を外部から取得する必要があるのかなどを考慮した上で、明確にした必要な資源を実際に活用することが重要です。


「8.運用」は、品質マネジメントシステム(QMS)のPDCAサイクルの「D」に該当します。流れとしては、箇条4で組織の状況を整理し、箇条5であるべき姿を明確にし、箇条6の目的達成のための計画をQMSに落とし込みをします。その上で、箇条8ではこのQMSの運用を求めているのです。

なお、旧版のISO9001規格はモノ作り組織に重点を置いた内容でしたが、2015年改訂でサービスを提供する組織にとっても対応しやすいように、汎用的な内容に変わっています。この改訂により、より多くの組織に普及することが期待できます。


「9.パフォーマンス評価」では、品質マネジメントシステム(QMS)のパフォーマンスとその有効性を評価することが求められており、PDCAサイクルの「C」に該当します。QMSが、その意図した結果を達成しているかどうかを測るために監視・測定を行い、その結果を分析・評価して、次なる課題を課題を明らかにすることにつなげていく必要があります。

ここではQMSで計画した結果を評価しますが、その際の評価対象(パフォーマンス)は、可能な限り定量的であるのが望ましいでしょう。定性的な目標でも構いませんが、その状態を達成したかどうかを判断できるようにあらかじめ明確にしておくことが必要になります。この評価の際に重要な役割を果たす内部監査についての一例は以下のようになります。

図表 内部監査の流れ

内部監査の流れ

「10.改善」は、PDCAサイクルの「A(改善)」にあたります。品質マネジメントシステム(QMS)を効果的に運用していくためには、現状の取り組みレベルが下がるのを防ぐだけでなく、より良い方法を見つけていくことが必要です。ここでは単に問題点を改善するだけでなくQMSという仕組み自体のアップデートを心がけること、すなわち継続的改善が求められています。

継続的に改善するとは、「QMSが組織の品質目的とぴったりあてはまっている状態であるのかという適切性の視点」「要求事項が満たされているのかという妥当性の視点」「計画した活動が実行され計画した結果が達成された程度という有効性の視点」から、適宜確認することです。また、「継続的に」とは、定期的ということではなく、ある一定の適合した状態(パフォーマンス)から改善を繰り返し行うことを意図しています。

なお、旧版ISO9001にあった「予防処置」という用語がなくなった理由は、マネジメントシステムの重要な目的の一つが、予防的なツールとしての役割を持っているからです。

ISO9001とISO14001の大きな違いは、お客様(や取り巻く環境など)が、「望むものを提供する/望まないものや悪影響があるものを排除していく」ということです。

ISO 9001の規格要求事項が求めているのは品質(顧客満足)に関するマネジメントシステムで、良い製品やサービスを継続的に提供するための仕組みを管理することを求めています。ここでの“良い”とは単なる物理的な品質だけではく、お客様が望むものを提供して満足してらうという顧客満足度という観点も含まれます。

一方、ISO14001の要求事項が求めているのは環境に関するマネジメントシステムです。このシステムは、組織が活動することで、自分たちを取り巻く人々・物・自然等々の環境に対して悪い影響を及ぼしていないかを確認して、及ぼしているなら改善していく仕組みです。

ISO9001とISO14001についてはこのような違いはありますが、両者はまったく別モノということではなく、重なる点は少なくありません。たとえば環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運用する際、お客様の望むものや顧客満足について環境という視点を採り込むことで、顧客満足度の向上にもつながっていくはずです。品質マネジメントシステム(QMS)についても、環境の視点も組み込んで構築することで、自分たちを取り巻く環境に対して悪影響を抑えることができるでしょう。

企業として持続的な経済活動を行う上で、ISO9001とISO14001の両方の視点を採り入れ重視していくことは、ますます重要になってきています。

◆メリット1:企業の経営課題の解決に役立つ

企業の課題はさまざまですが、日本能率協会(JMA)が毎年実施している「経営課題調査」における調査結果で例年上位を占めるのが以下のテーマです。

「収益性の向上」「売上げ。シェア拡大」「人材の強化」「新製品・新サービス・新事業開発」「財務体質の強化」「現場力の強化」「品質向上」「高コスト体質の改善」「顧客満足度の向上」「技術力・研究開発力の強化」


たとえば「収益性の向上」という課題のためには、高コスト体質の改善が必要であり、また、新製品・新サービスにより顧客満足度の向上を図るなど、まさにISO9001で設定する品質目標として掲げることが望ましい内容がそろっています。 これは「収益性の向上」だけでなく、上記の企業の経営課題すべてはISO9001の品質マネジメントシステムで取り上げるべき課題というべきものです。

ISO9001では、経営者の責任として、「マネジメントシステムと事業プロセスとの統合」「マネジメントシステムの方針、目標は組織の戦略的な方向性と両立させる」といった規格要求事項が明確になっています。ISO9001の仕組みを事業運営と一体化することで、上記で挙げた企業の経営課題の解決に有効活用できるのです。

◆メリット2:組織の品質向上につながる

ISO9001の機能を具体的に紹介します。規格要求事項が求めている品質マネジメントシステム(QMS)の目的は、顧客満足度の向上と継続的改善です。もちろんベースとなるのは、製品やサービスの品質保証です。品質保証の観点で言えば、顧客クレームや製品回収につながるミス・事故は企業にとっては最重要課題であり、起こしたくない、起こしてはならない事象であるのは言うまでもありません。

現実問題として、クレームや回収などに起因して、企業の信頼は往々にして大きく低下します。一時的に低下するだけならまだよく、起こした事象によっては、企業の存続自体が危ぶまれ致命的なリスクとなるケースも少なくありません。 「自分たちのリスクのために何を管理するか」ということは、すでにすべての企業経営で行われていることですが、このリスクに対応した管理をさらに強固にするために役立つのがISO9001なのです。

ISO9001の認証を取得するための費用は、登録料、文書審査料、実地審査料で構成されます。審査の料金については、審査する場所(部門や支社支店・工場等)の数、従業員の人数に応じて決まります。何人の審査員が何日間対応するかをまとめたのが「審査工数(時間)」ですが、審査先組織の審査する場所の拠点数や従業員の人数が多くなれば、審査工数が増えて審査料金も高くなります。このように組織各々で審査工数が異なってくるので具体的な金額は都度、お見積もりになります。

コラム: 「内部監査員養成」のためのスキルチェックシートをご活用ください。

ISO9001の品質マネジメントシステム(QMS)を効果のあがる仕組みにするポイントのひとつが「内部監査」。その内部監査を実施する上でカギとなるのが内部監査員養成です。以下に養成ツールの一例をご案内します。

内部監査についてはご登録いただいている組織様から、

  • 気付けば毎年チェックはすべて「YSE」で終わっている。
  • 業務の粗探しになっている。
  • 内部監査ってなんで毎年やるの?と、社内から不満の声がでている。

など様々なご相談をいただきます。以下に「内部監査員養成のポイント」をまとめた資料をご用意しましたので、ご興味がある方はご覧ください。

<内部監査員養成ポイント+内部監査員スキルチェックシート付>はこちら

下記【1】~【3】に心当たりがあればぜひ、上記の資料をご覧ください

【1】 形式的な内部監査に陥っている

・審査のための内部監査になっている

内部監査は年間計画に沿って実行しなければならないが、実態は審査で内部監査記録を提示するために実施されて、目的を見失っていることがある。

・記録の確認のみに終止した監査に陥っている

各種手順書・計画書の中身の評価に踏み込まず、手順・計画の有無と、その実行結果である記録の確認のみに止まっている。

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資料を活用して内部監査の改善、内部監査員のスキルアップにつなげてください。

小会による「内部監査員養成プログラム」のご紹介はこちら

【2】 内部監査員の「役割認識・事前準備」が不十分

・監査がゴールになっている

監査は「目的」ではなく「手段」であり、事業プロセス(活動)の適切性、妥当性有効性向上につながるような結果を残さなければならない。

・事前準備・調査をせず毎回同じ監査を実施している

不適合・改善提案などの指摘ができないのは、監査実施までの準備不足が原因であることが多い。

<内部監査員養成ポイント+内部監査員スキルチェックシート付>はこちら

【3】 改善に結びつく「有効な指摘」ができていない

・毎年同じ監査を実施している

認証取得から運用年数を重ねるに伴って、適合性監査から有効性監査(改善提案型監査)にウェイトシフトがはかれているか。

・監査をしても指摘・改善が行えていない

部門のPDCA機能を促進し、パフォーマンス向上につながるような指摘がされているか。

<内部監査員養成ポイント+内部監査員スキルチェックシート付>はこちら

資料を活用して内部監査の改善、内部監査員のスキルアップにつなげてください。

小会による「内部監査員養成プログラム」のご紹介はこちら

内部監査事例「日水コン様」の取り組みはこちら

内部監査の改善を研修講師に聞く取材記事はこちら

課題発見シート

ISOの改善のためのツール「課題発見シート」

MSの弱点・課題を克服するための処方箋「課題発見シート」をご提供しています。ご自身で課題を見つけだすセルフチェックシートで、内部監査に関連する項目も載っています。ぜひともシートを使って課題を抽出し、改善に向けて取り組んでください。

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