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ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)

ISO 9001は品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
最も普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。

CASE.5

【連載:効果的な運用事例 太平化学製品株式会社様 [ISO9001/14001] 】
システム統合を機に事業との一体化を図り
  ~ 現場からトップまで巻き込んだ運用 を目指す

太平化学製品株式会社(本社:埼玉県川口市領家四丁目5番19号 URL:http://www.taihei-chemicals.com/ )は環境との調和と省資源の追求を目指した化学メーカーです。
合成樹脂や化成品などを取り扱う同社は、ISO9001とISO14001のマネジメントシステムを2015年に統合させて統合審査で認証取得を果たしています。その統合マネジメントシステムにおいて、現場からトップまで全員参加で取り組むISO活動を展開して、業務改善を積極的に行っています。今回は、環境保安・品質保証部・植田雅治様と照井和枝様にお話をうかがいました。

太平化学製品様

取材先:太平化学製品株式会社 草加工場
環境保安・品質保証部長 兼 草加・品質保証課長   植田雅治 様(左)
環境保安・品質保証部 草加・品質保証課 主任   照井和枝 様(右) 

1.QMSとEMSの統合を機に事業との一体化を進める

植田氏

−ISO認証の経緯をお聞かせください。

植田様:ISO9002(QMS)を1995年に認証取得、ISO14001(EMS)については2009年に取得しています。QMSについてはもともと1993年に親会社である東ソーが取得したことで、当社も取り組むことになり草加工場で取得しています。その後、2000年に全社に拡大して、ISO9002の廃番に伴いISO9001に移行しています。EMSについては、草加工場が第一種エネルギー管理指定工場になって顧客からの取得要請もあり、2009年に全社で取得しています。

その当時、QMSとEMSは別々にシステムの運用していました。とくにQMS文書体系については煩雑で、手順なども大量にある重たいシステムだったために、現場では運用負担が大きかったと聞いています。 マネジメントシステムを統合した経緯については、2015年のISO9001とISO14001の規格改訂がきっかけです。この改訂で、規格の中身も、事業(本業ビジネス)とISOシステムの一体化をうたう内容となったからです。それまでは、事業の仕組みとISOシステムが分離して二重管理状態になっていました。

この2015年版に対応するのを機に、太平化学製品では、別々だったQMSとEMSを統合マネジメントシステムに変更したのです。同時に統合したISOシステムと事業の仕組みとの一体化も進め、さらに審査機関についても外資系機関から日本能率協会審査登録センター(JMAQA)に変更しています。

2.「ISOのためのISO活動」から脱却したい

−統合前のシステムの状況について詳しく教えてください。

照井様:QMSを取得した当時のシステムについて思い出してみると、ISOのために仕事をしていた状態でした。かなり重たい仕組みになっており認証取得によって記録の作成など必要とされる仕事が増えた状況だったのです。ですから「なんのためにやっているのか」という疑問が、現場から出ていたことを記憶しています。

もちろんメリットもありました。そのひとつが、仕事が見えやすくなったことがあるでしょう。文書化や記録をしっかりやることがISOだと考えており、これは欧米の発想で文化が異なる、という感想を抱きました。

植田様:私は2013年に今のISO担当になりました。着任して最初の感想は重たいシステムということでした。当時の品質マニュアルは60ページを超えるボリュームで、会社の規模・業態からすると厚すぎると感じました。システムとしては中身が充実し、手順がしっかり揃っていて記録類も細かにとられており、十分に機能はしていたと思います。ですが現場における運用の負荷は大きかったようです。またマネジメントレビューについては、当時のトップは自分の権限を管理責任者にすべて委任しており、各管理者があげてくる報告に対する判断・指示を行っていました。本来のトップ主導とはいえない仕組みになっていたのです。

3.システム改善——記録を各部署管理へ、マネジメントレビューは集約化

−そのように重たいシステムをどうやって改善したのでしょうか。

植田様:2015年改訂を機にISO9001と14001のシステムを統合しました。それまではバラバラに運用していましたが、統合を機にまずだぶっていた手順などを省いています。続いてマニュアル自体を簡素化しています。

たとえば、旧マニュアルでは文書類が関係する箇所に紐づけられており、文書のどこか一カ所修正する場合もあちらこちらなおすことが必要となりオオゴトになっていました。そこで新マニュアルでは、記録は現場である各所管部門で管理するとして、細かな修正などは全体の文書体系の中ではなおさなくてよくしています。

また、2015年版では自分たちのビジネスとマネジメントシステムとの一体化を打ち出しているので、新マニュアルでもこの点を強く意識した構成にしています。まだ満足する内容にはなっていませんが、旧マニュアルからは大幅に改善しています。

さらに、最近の取り組みとしては、マネジメントレビューの見直しが大きかったと思います。従来、各部門長がマネジメントレビューを書いていました。すると、毎回、十数本のレビューがあがってきてしまいます。それを管理責任者が見て、フィードバックするというやり方をとっていました。マネジメントレビューとは本来、マネジメントシステムがうまく機能しているかどうかを確認して、システムの改善に役立てるという目的があるはずです。そこで、各部門からの幅広いレビューはまず私に集約してもらい、それらの情報についてシステムの問題点に焦点を絞って社長に報告し、社長からはその点についてフィードバックをもらう形に変更しています。こうすることでトップの意向が反映するシステムに近づいていると思います。

4.リソース不足を補うため外部の研修機関を活用

−審査機関を変更した経緯について教えてください。

植田様:別々のシステムの時代は改善点がいろいろあると感じていましたが、実行に移すには問題点もありました。いちばん大きかったのはリソース不足です。私がこの部署にきた頃は、ISO事務局もなく、主に品質保証部がシステム運用の担当をしていました。品質保証部は品質保証という主要業務があり、ISOシステムをいろいろ改善しようにも、人手が足りないという状況だったのです。
そこでトップと相談して、外部の力を借りようということになり、情報を集めていろいろ検討しました。そんなとき、日本能率協会で講師を企業まで派遣する研修プログラムを実施していることを知り、利用することにしたのです。

−ご利用いただいた研修プログラム類は、日本能率協会ISO研修事業部が提供するものです。日本能率協会審査登録センター(JMAQA)による第三者審査登録活動とは峻別されたものですが、研修はおかげさまで多くの企業様にご利用いただいています。

5.審査機関を変更——業務に役立つ審査で前進

−審査機関をJMAQAに変えていただきましたが、どんな違いがありますか。

植田様:審査内容が大きく異なっていると感じました。前の審査機関の審査は私どもの業態にあった見方が弱く、指摘なども一般的な話が中心でした。また、規格の構成にとても忠実で、まずは規格ありきの審査という印象でした。私たちは本来業務の中でいかにISOの仕組みをまわしていくかを考えていたのですが、前の機関は要求事項に対して、どの業務が対応するかなどの解釈に時間を使っていたのです。本来のISOの意図とは違うのではと感じ、審査機関の変更を検討したのです。

JMAQAに決めた理由は、ISOの活用方法についての考え方で重なる点が多かったことです。変更するにあたっていろいろJMAQAの担当者に話を聞きましたが、たとえば目標設定にしても、数値による目標はそれを達成できない不安を伴うものです。話をいろいろ聞く中で、目標の未達は改善のきっかけと肯定的に捉えられるようになった気がします。

実際に審査を受けてみてとくに印象的だったのは、JMAQAの指摘やコメントは業務に役立ち改善につながるような効果的なヒントが多い点です。変えたことで、経営という観点からISOを運用するというビジョンを目指すことも視野に入れることができるようになりつつあります。


照井様:審査機関を変えて良かった点のひとつは、化学メーカーの事情に詳しい審査員が担当してくれていることです。審査のやりとりでは、こちらの業務に基づいた質問を具体的な形で返してくれるので、現場サイドにとってもより有意義な内容になっているようです。

照井氏

6. 従業員のISOの理解度アップがカギ

−ISO9001/14001認証や仕組みについての課題、今後の活用方法などについてお聞かせください。

植田様:以前の私たちの仕組みはISOのためのISOの仕事をこなしている状態でした。これからは業務のためのISO活動を目指していきたいです。まだまだ仕組みに中には、「本当にこれも必要?」と首をかしげたくなるような文書やルールなども残っています。古い担当者からそのまま受け継いで、改善する機会もなく継続していた業務です。システム上位の業務はかなり改善が進みましたが、下位の業務では無駄が多いと感じています。たとえば記録を取るだけの不要な作業もまだまだ見受けられる状況にあります。

こういった細かく部分的な改善を一つひとつこなしていくのは、非常に効率が悪いはずです。部分的な改善も全体として無駄になってしまうことがあるからです。そこで、従業員にISOをもっと深く理解してもらい、個々の現場から改善を進め全体的でトータルな底上げを目指していくつもりです。

また、現在、統合マネジメントシステムで品質や環境についてはPDCAが回っていますが、労働安全など、認証していない分野においても、仕組みに乗せてPDCAを回していくことが課題として考えられます。
さらに、内部監査については各部署でやってもらっていますが、各監査員の力量にはばらつきがあるので、ここを強化していきたいです。教育しても退職していく人もいるので、新人教育には特に力を注ぎたいです。教育に関するしっかりした仕組みは、まだ持ち合わせていないので、外部の研修機関などにも協力してもらうつもりです。
私たちはまだ把握しきれていないかもしれませんが、ISOはまだまだ道具として使える可能性がたくさんあると考えています。有効活用の実例などの情報をいろいろなところから収集して、自分たちのヒントとしたいです。


照井様:ISOは自分たちのためにやるものだという意識が、従業員の間に定着しつつあると感じています。導入当初は型にはめられていく感じが窮屈にも感じましたが、いまでは自分たちのものとして身についてきています。たとえば、内部監査などでも他部署が何をしているかなど、会社の状況が見えてきて、非常に勉強になっています。今後も現場やトップを巻き込んだ運用を目指して、改善を重ねていくつもりです。

太平化学製品様門
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