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ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)

ISO 9001は品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
最も普及しているマネジメントシステム規格であり、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。

CASE.6

【連載:効果的な運用事例 光工業株式会社様 [ISO9001] 】
世代交代を機にISO9001を導入
  ~ ISOと経営品質を一体化した成功事例

                    取材先:光工業株式会社
                        代表取締役社長 喜多川 光世 様(写真)
                        専務取締役   藤井 伊三美 様 

光工業を中核とする、光グループは、京都エリアを中心に、舗装・土木・建築工事や地質調査、リサイクル事業などくらしと産業の発展に欠かすことのできないインフラ整備事業を担っています。道路や施設を使う人々を想い、お客様の期待を上回る仕事をすることが付加価値と考え、光グループならではの価値を磨いてきています。
今回は、世代交代を機に、ISOを導入して、ISOと経営品質の一体化に取り組む光工業様に、認証取得の経緯や日頃の活動についてうかがいました。

1.世代交代を機にISOなどをベースとした企業経営にシフト

−認証取得の経緯をお聞かせください。

ISO9001の認証を取得したのは1999年です。実は、光工業としてもちょうど世代交代に当たる時期でした。当時、当社はトップダウン方式による経営を主体とした社風でした。それを組織だった経営体制へと変革していくために、ISOの仕組みを活用しようとした経緯があります。

やがて建設業の中でもISOが浸透してきて、公共事業の入札の過程の中で、行政が加点対象としてきました。当社としては、その加点のメリットを考慮しつつ、これから紹介するISOの導入効果を実感したことで、認証を維持してきています。

−20年以上、ISOシステムを運用なさっていますが、どのように変わってきたのでしょうか。

取得当初は認証維持のために運用していた面も若干ありました。当初は文書体系が非常に重たくなっており、実際の経営と合致しないようなところもあったのです。ISOのために書類づくりに追われる、といった場面も正直ありました。当時のISO9000シリーズ規格は、製造業をベースにした仕組みを想定しており、建設業かつ中小組織にとっては要求事項が文書・記録主義などで、使いづらい面があったのです。

その後、規格が改訂されてきて、要求事項自体もいわゆる文書主義から実体主義へと変わってきました。それとともに、光工業でも、従来は実際の経営とISOは別ラインでの運用といった印象が強かったのですが、経営の一部と捉えなおし、経営の仕組みのなかに採り入れ、運用することを推し進めてきました。

2.中期経営計画の推進でISOを活用

−認証取得(仕組みの導入)のメリットについて、現場の視点/経営の視点からをお聞かせください。

まず光工業を中核とする、光グループの経営にとってISOの仕組み自体が非常に役立っています。具体的に、ISO システムがどういった点が役立っているかを紹介すると、光グループでは「中期経営計画」を4年ごとに策定し、この計画を踏まえたグループ各社での単年度数値計画、単年度所信、さらに所信を踏まえた部課別の目標設定と展開、個人別能力向上シート、人事評価表を展開しており、これらはすべて連動して運用しています。

この「中期経営計画」に基づいて様々な仕事を通して達成していくなかの課題には、「かならず様々な仕事の質が存在している」という視点をもって、ISO9001の仕組みを組み込んで活用してきています。ここでは、方針を展開し、PDCAサイクルを回す仕組みが非常に役立っています。

以前は、当社ではPDCAという発想がありませんでした。それが認証取得後、方針を決め、部課別の行動方針や目標数値やベンチマークの設定といったことを仕組みの上でまわすようになりました。さまざまな改善を行う際、ISOの体系に乗って実施するのが運用に最適ということも実感しています。

コラム『光グループ中期経営計画』について

光グループ全体の中期経営計画と計画に基づく活動を、常に携帯できるように手帳サイズにまとめた『光グループ中期経営計画』を全従業員に配布している。

この冊子では数値計画とともに、基本的な考え方、基本的な行動として、社員のベクトル合わせをするための方針を記載。その方針と数値達成のため、年度ごとに、グルーブ各社の社長が単年度所信を出す。この所信に基づいて、各部課が何に取り組むか、部課別目標の展開表に記載する。また、それを個人別目標に落とし込み、部課別、個人別の評価、数値の成果とともに、人事評価を行っている。

まさに「中期経営計画」という旗印のもとに、PDCAをこれらのすべての階層でまわしていくというイメージであり、これらはすべてISOのスキームと同じ形で運用している。

さらに、人事評価制度における活用方法としては、冊子に各個人に成果を記入してもらい、それらを、フィードバック面談や年1回のグループミーティングの際の表彰や賞品の選定対象にすることで、社内のモチベーションづけにも活用している。

3.ISOと経営品質を一体化

−御社では「ODSC(目的・成果物・成功基準)」システムを導入していらっしゃいますね。

まず1999年にISOシステムを導入し、その際、一歩進んだ経営を目指すために、「経営品質」という考え方も採り入れました。ISOシステムと経営品質は一見異なるようですが、根幹では一緒であり、根本的な考え方はきわめて近いと考えています。

たとえば、経営品質全体の中で、あくまで品質が一部分としてある、という考え方に沿っているのです。この経営品質を工事現場にて実践するためのツールが「ODSC」という位置づけになります。

−ODSCとISOの関係についてお願いします。

ODSCはあくまで「PDCAをまわす現場での取り組み」という位置づけです。たとえば、工事部門の中での目標管理(現場管理)には、ODSCを使うことになります。

具体的には、光工業グループの現在の「中期経営計画」に示した課題、「顧客の基本要求を超えた付加価値の創造」「実行予算からの改善を進め、原価率を低減し経常利益を確保する」について、これらの実現のためにODSCシステムを動かすことになります。

同時に、ISOの仕組みによって、PDCAで構築されているグループ全体、各社の中の部課、個人に至るまで、一貫性を持たせるための体制も作っています。

−ODSCの運用方法についてご紹介ください。

たとえば、PDCAのP(計画)の段階で、「ODSC」では、現場担当者に顧客から「工事成果物に対してどのような希望があるか」を聞き取らせます。ここでは、成果物を提供することを目的とするのではなく、顧客が成果物を活用する目的を聞き取ります。その理由は、建設業における事業のそもそものねらいとは、「顧客の希望に貢献できる施工工事を実施させる」ことであると考えているからです。

この聞き取りのタイミングで合わせて、実行予算からの改善を、工事部門・経営者・購買部の間で検討します。ここでは改善指標を明確にすることで、現場担当者の現場の課題抽出、たとえば工期の遅れとなる課題・安全に対する課題が分かったら、その分析から対策の計画策定から実効までの一連の取り組みを、より効果的にものにつなげていきます。

これらのODSCは施工途中にも適宜チェックし、問題点の抽出・対策を施し、施工完了後に総括しています。

4.「目的」と「手段」を取り違えない活動

−建設業、中でも公共事業などの場合、何が顧客の希望なのかという視点が大切ということですか。

いかなる「目的」のために建築物を作り出す現場が発生しているのか、ここをしっかり考えることが大切になってきます。建設業の場合、特に工事現場では、設計通りにものを作ることが、建築物を作る「目的」であるかのような「誤解」をしてしまう傾向があります。建築物や構築物はあくまで発注主による依頼物であり、「目的」ではありません。建築物や構築物は「手段」でしかないのです。

たとえば、パイパス工事をする際には、渋滞緩和や効率的な物流の構築が「目的」であり、パイパス工事自体はその「手段」となります。ですが下請け工事に入ればまるで図面通りに作ることが「目的」であるような発想をしがちなのです。

ですから、まず、「目的」は何なのかをしっかり考え、そのためにはどういう「行動」をとれば、目的に沿った行動ができるかという「成功基準」を定めます。その成功基準を踏まえて、工事にあたっていくのです。
ここでは、「目的」「成功基準」、さらに「行動」など洗い出して、それらを使って、現場教育を含めて取り組んでいます。

5.独自のシステム「ODSCA」という考え方を推進

当社では、ODSCの目的、成果物、成果基準に、さらに「行動」(A)を加えた「ODSCA」という独自の考え方で仕組みをまわしています。このシステムを現場工事でのプロジェクトマネジメントを使用して7年経っています。

6.PDCAで中期経営計画の目標達成を実現

ISOの仕組みに、この「ODSCA」を採り込むことにより、マネジメントサイクルを効果的に運用し、大きな成果につなげています。「ODSCA」によるPDCAの運用は、確実な成果をもたらしており、現在の中期経営計画については1年前倒しの3年目で、経常利益の目標達成を実現しています。

7.目標値を上げることが正解とは限らない

−仕組みの運用によって出てきた課題/改善した内容についてお願いします。

今、PDCAのCとAをより有効な形で展開することのむつかしさを感じています。 そこで現在は運用での課題として位置づけて、このCとAをより有効に使う方法をいろいろ試しています。

一例として、1年単位の計画については、きちんと動いているかが大切です。やりっぱなしにせず、同じアクション(A)を継続的につづけているかが課題になっています。

当社ではおおむね計画した目標は達成していますが、達成していないケースももちろんあります。そこで、未達成の場合は目標達成のための行動の推測をしてトライを続けています。あるいは目標の数値を達成していても、本来の目的を達成していないケースもあります。ここでは、値自体を見直すことも必要かもしれません。

そもそも値は正しいのか、設定した値の運用についても単に毎年上げていくのが正しいとは言えないかもしれません。この値を含めてさまざまな視点からものごとを確認していくことが必要でしょう。

たとえば間違ったということを認識して、試行錯誤を重ねながら直していく、それによって達成の確度を上げていく、こうした流れが大切だと考えています。この試行錯誤をし続けることがCAだと理解しています。

8.時間を効率的に使える審査に満足

−日本能率協会審査登録センター(JAMQA)の審査についてご意見をください。

まず、すべての審査員の方々が紳士的で、論理的かつ理路整然と話される点に満足しています。また、審査のオープニングミーティング時の確認事項については、事前に同意書を求めることで時間短縮につながるはずで、改善されており、資料準備などをしっかり用意されており大いに助かります。

審査ではその分、別のことに時間が使うことで、より効果的になるからです。

9.グルーブ全体を見渡し抽象度を高めた資料も作成

−今後の取り組みについてお聞かせください。

経営品質の取り組みの中の一部分となっている「中期経営計画」の中にも、ISOを意識した項目を、今後は取り入れていきます。具体的に考えているのが、品質に関する方針と、リスクに関する方針です。この動きと連動させてISOを手帳の中にも載せていきます。

また、現在は、光グループ内ではISOを取っている会社もあればない会社もある、あるいはISO14001を取得している会社もあります。そのためにグループ各社では取り組みの濃淡やレベル差が見受けられます。そこで、グループ全体を見通して、抽象度の高い内容についてもこの手帳に盛り込み、各社における取り組みレベルを向上させ、かつ具体的な動きにつなげて、光グループ全体のレベルアップを実現させていきます。

10.単なる建設業者ではなく付加価値を含めたサービス企業を目指す

さらに、「中期経営計画」については、「いかに顧客の事前の期待に応えていくか」「基本(ISO)から付加価値をどうつけるか」が課題だと捉えています。ここでは、お客様からの要求事項がスペックとして出てくるとすれば、スペック以上のものを付加価値と考えることが重要なはずです。

図面で求められている構築物と同じものを作ること、こうしたこと以外に、工程管理や安全管理など、さまざまなプロセスで提供できるサービスが存在します。私たち光グループでは単なる建設業者ではなく付加価値を含めたサービス企業を目指していきます。

課題発見シート

ISOの改善のためのツール「課題発見シート」

MSの弱点・課題を克服するための処方箋「課題発見シート」をご提供しています。ご自身で課題を見つけだすセルフチェックシートで、内部監査に関連する項目も載っています。ぜひともシートを使って課題を抽出し、改善に向けて取り組んでください。

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