FSSC22000
(食品安全システム認証)
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審査および
認証取得支援サポート
CASE.5
【食品安全】FSSC22000お客様事例 [ナリヅカコーポレーション様]
~ 安全・安心の商品を実現する~
個々の業務の役割が明確になり
組織としてのリスク対応がレベルアップ
取材先:
株式会社ナリヅカコーポレーション
代表取締役社長 内海 三三子 様(中)
取締役商品本部長 石垣 賢一 様(左)
長柄DP&Dセンター長 高桑 章人 様(右)
株式会社ナリヅカコーポレーション様(本社:東京都港区白金台1-2-16 http://www.narizuka.co.jp)は、1965年に創業、主要商品である高品質な各種フレーバーリングマティリアルを開発、販売しています。長年蓄積してきたノウハウや海外メーカーとの提携で得た優れた技術・情報をベースに商品ラインナップを充実させてきており、メインブランド「Dolce」をはじめ、さまざまな濃縮形態の食品香料と製菓材料を揃えています。最近はオーダーメイドによる独創的な味覚の開発や周辺技術の支援も行っています。 2018年9月、高品質で安全・安心な商品を提供するために、開発・生産・物流のメイン拠点である千葉県長生郡にある
長柄DP&Dセンターにおいて、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000の認証を取得しています。今回、その取り組みについてお話をうかがいました。
−FSSC22000の認証取得に取り組んだねらいについて教えてください。
内海様:ナリヅカコーポレーションは、食品香料と製菓材料を扱う食品メーカーとして、高品質で安全・安心な商品をお客様にご提供することを創業以来、最重要視してきましたが、この取り組みをより充実させるために、食品安全に関する国際規格の認証が必要だと考えたのです。
また、国外でビジネスを幅広く展開してきており、海外メーカーとの業務提携をいくつも行っています。最近もフランスのパティシエから私どものフレーバーリングマティリアの引き合いをいただきました。ですから海外ビジネスにおいても、国際規格の認証が効果的だと判断しました。
取得理由は増える二者監査への対応
−FSSC22000はGFSI承認スキームとして活用されています。
内海様:認証取得のねらいには、私どものお客様であるグローバルに展開する小売りや大手コンビニエンスストアチェーンから二者監査を受ける機会が増えており、こうした動きに対応することもあります。GFSI承認スキームの一つであるFSSC22000認証を取得することは、ナリヅカコーポレーションの食品安全に対する取り組みレベルの高さを証明することになり、二者監査が軽減される可能性が出てくるとも考えてのです。
システム導入では現場が積極的に関わる
−取り組みの感想をお聞かせください。
内海様:今回、最も認証取得のハードルが高い規格の一つと言われているFSSC22000に取り組みました。まずは、ISO9001やISO22000に取り組んでからFSSC22000という順番が多いという話を聞いていましたが、せっかくやるならあえて難しいレベルにチャレンジするのがよいと考えてのです。
あらためて認証取得までの活動を振り返ってみると、予想していたより、スムーズだったというのが感想です。その理由としては、私どもの社風に拠るところが大きかったと考えています。社内では、トップから指示を細かく出すというより、現場が率先して動いていく雰囲気が強いのです。
FSSC22000に対応した食品安全マネジメントシステムには、現場の仕事をしっかり取り組むことが求められます。その仕組みづくりでは、社員は受身ではなく自分たちの仕組みになるように積極的に関わることが必要です。ここで現場が率先して動く社風がうまく働いたと考えています。
高桑様:食品安全マネジメントシステムはあくまでも仕組みです。効率的な運用につなげていくには、現場における日頃のコミュニケーションが重要になってくるはずです。ナリヅカコーポレーションでは役職の上下に関係なくモノが言いやすい雰囲気があり、このことが今後の運用面でよい影響を及ぼすと期待しています。
石垣様:認証取得に向けてのキックオフ宣言は、2017年4月に開催した社員総会の場で社長が行いました。実はそれ以前から社長より食品安全規格に取り組む指示が出されており、当初は国内のHACCP義務化の動きを受けてHACCPを予定していました。ですがいろいろと調べていく中で、海外ビジネスが多いこと、二者監査が増えていることなどからFSSC22000がベストだと分かって変更した経緯があります。
認証対象の長柄DP&Dセンターについて教えてください。
石垣様:認証の対象は、開発・生産・物流のメイン拠点である長柄DP&Dセンターです。ここでは、食品安全に関する取り組みをしっかり行ってきており、今回のシステム導入では、すでにやっている業務内容をFSSC22000に出てくる用語で置き換えてはめ込むようなことも多かったです。
実はセンターでは、責任者である高桑を中心に、2011年の立ち上げ時から食品安全活動に関して、ハード/ソフトの両面からしっかり対応してきています。このこともシステムの導入がスムーズにいった要因だと考えています。また、センターが、ナリヅカコーポレーションの食品安全活動をひっぱる立場にいるので、社内から全面的な協力を得られたことも大きいでしょう。
高桑様:長柄DP&Dセンターではオープンした後、商品の安全・安心に関してさまざまな活動を展開してきました。とりわけ「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「習慣」の5S活動を重視して徹底しています。活動自体は基本的な内容ですが、異物混入防止をはじめとして安全・安心に関して大きな効果が期待できるのです。
例えば5S活動の一環として、毎日、朝礼後に清掃を行っており、共通で使う場所は全員で徹底的に綺麗にしてから現場作業に入るようにしています。清掃自体も大切ですが、毎日皆でしっかりやるという行為が、安全・安心に関する意識付けにつながっていくと考えています。
組織としてのリスクへの対応レベルが一段上がる
−認証取得の前と後で大きく変わった点について教えてください。
内海様:まず、食品安全に関するマネジメントシステムを導入できたことで、自分達だけで改善できるステップに入りました。今後、どれだけの効果が得られるかは運用次第ですが、まずはその仕組みを導入できたこと自体が大きな成果だと捉えています。
また、今回の取り組みを通して、組織としてのリスクへの対応レベルが一段上がったと考えています。その理由は、各々の担当業務について商品の安全・安心に関して具体的にどんな影響を及ぼすかが理解されるようになったからです。この影響を理解せずに単に「やりなさい」との指示をうけていた場合とは仕事に対する取り組み姿勢に差が出てくるはずです。商品の安全・安心の観点から、それぞれの状態のリスクについて組織全体で比べてみると、今のほうが小さくなってきたと考えています。
石垣様:成果としては考える癖がついたことが挙げられます。何か問題が発生した際、「なぜ? なぜ? なぜ?」と原因を深く考えていく習慣が身についてきた様子が社内全体でうかがえます。もちろんすべての問題について原因がはっきりするわけではありませんが、しっかり考えて周囲と相談していくことが大切なのです。従業員一人ひとりが問題意識を持つようになったので、今後、改善のタネがいろいろ出てくるでしょう。
高桑様:教育の最高のツールができたと考えています。長柄DP&Dセンターの立ち上げにあたって、食品業界が初めての人材も採用して教育してきました。食品安全に関しては口酸っぱく思われるくらい繰り返しいろいろ言ってきましたが、皆さんに精進してもらい今の高いレベルに到達できたと考えています。もちろん引き続きさらに高いレベルを目指しております。
また、内海社長の話にもありましたが、自分達の仕事がナリヅカコーポレーションとしての高い品質に貢献していることが分かったので、仕事に向き合う姿勢もさらによくなってきたと感じています。現場は足し算の世界であり、身体を動かしながら業務の意味を理解させようとしても難しい面がありました。
それが、今回の取り組みを通して、今までは点として捉えられていた現場の個々の業務が、それぞれつながっていることが分かってきたようです。そのため、会社が現場に必要だと求めてきた活動に対する抵抗感はなくなったとも感じています。例えば帳票類については、以前のHACCPへの取り組みで揃えてはいましたが、今回、仕組みの中での必要性などが分かったということも担当者にはプラスに働いているようです。
内海様:導入の成果としては、業務マニュアル類を整備して以前より充実したことも挙げられます。ナリヅカコーポレーションとしての仕事がより高いレベルで維持されるからです。例えば、細やかな配慮が求められる業務の場合、気を回しながらしっかり対応できるかどうかは、個々のセンスに拠る面も少なくないでしょう。ここでしっかりしたマニュアル類を揃えておけば、例えばたまたま気づきませんでしたといった事態を避けることができるはずです。
−今後の取り組みについて教えてください。
高桑様:まずは、石垣が紹介した「なぜ?」を5回くらい繰り返すことが習慣になる状態を目指します。今回導入した仕組みをうまく使って日常会話に落とし込めば実現できるはずです。うまくいけば、改善のPDCAサイクルが自然に回っていくことになります。
ここで重要になってくるのが社員全体のレベルアップです。そのためにサークル活動の導入を考えています。もちろん旧来のやり方ではなく今の時代にマッチした内容にすることが必要でしょう。また、サークル活動ではリーダーシップを育むことができるので、各現場をまとめていく人材育成としての機能にも期待しています。
今回、FSSC22000の規格体系に基づいてさまざまな業務が構成されていることが理解できたので、社内全体でシステムに対する理解がさらに深まり、より大きな成果につながる運用ができると期待しています。
石垣様:食品安全についていろいろ学ぶことに興味を待てるような環境作りを考えています。私自身、今回の取り組みを通して、学ぶことの楽しさを体験できました。例えば自身で疑問に感じることが出てきたら、食品安全チーム内で意見交換することで、よりよい結論につながることが多かったのです。
ナリヅカコーポレーションにとって一番よいやり方は何か、それぞれの立場から意見を出しあってベストな方法を導き出すのです。こうした意見の交換をチーム内だけでなく、日常業務でもするような雰囲気作りを考えています。日々の会話を通していろいろと学べる環境が理想的であり、そうでなければ社内全体の安全・安心への意識が一段と高まるはずです。
食品安全方針で揚げた「安全・安心・高品質・高サービス」を目指す
内海様:今後のシステム活用として目指すのは、社長としてやるべきこと以外はトップが関わらなくともしっかり組織が回るような仕組みにすることです。一方、現場レベルのシステムの有効活用については、従業員一人ひとりの意識にかかっています。最高レベルの認証を取得したので、今後はそれに相応しい組織を目指す雰囲気作りが重要だと考えています。
ナリヅカコーポレーションとしては、石垣と高桑のおかげで食品安全への取り組みに関しては非常に高いレベルで対応できてきたとの自負があります。FSSC22000に対応した仕組みを導入したことで、さらにレベルアップが図れると期待しています。そのためにもボトムアップを一層、強めていく必要があると考えています。今回、現場が中心となって仕組みづくりを行ったので、現場の意見を以前に増して吸い上げられることを期待しています。
今回のFSSC22000の認証取得はあくまでもスタートであり、必要最低限ができている状態にすぎません。社内全体で効果的な食品安全マネジメントシステムの運用を行い、食品安全方針で揚げた「安全・安心・高品質・高サービス」を今後も押し進めていきます。2018年10月20日の授賞式です。
「FSSC22000 認証取得研修プログラム資料」
食品安全マネジメントシステム構築を支援
現在GFSI認証スキームの一つである“FSSC22000”が注目されています。 顧客からの要求を受け、認証取得に向け構築に取組む企業も多いなか、基幹となるISO22000やPRP要求事項のISO/TS22002-1規格要求項目に対して具体的にどの程度のレベルまで対応すべきか、悩んでいる推進者も少なくありません。 日本能率協会では、FSSC22000 認証取得研修プラグラムをご提供しています。
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食品安全認証・規格の認証取得事例について
食品安全認証・規格に関する取得事例インタビューを掲載しております。日本能率協会では、インタビュー内にもあるように、様々なニーズやお悩みに対して幅広くご提案をすることが可能です。
新規取得、切り替えをご検討中の企業担当様は是非ごらんください。
メリーチョコレートカンパニー
Mary Chocolate FSSC22000
安心安全な製品づくりが、
社員一人ひとりの習慣になっていくことが理想
イートアンド
Eat-and ISO22000/9001
「ISOは自分たちの行動基準」が、
ISO9001で土台を築き、ISO22000で優先部分を強化
朋和産業
Howa Sangyo ISO22000
印刷業界の変化を先読みし10年前から準備 ISO22000でバックヤードを強化し顧客に安心を与え、 信頼の獲得をめざす
ナリヅカコーポレーション
Nariduka Corporation FSSC22000
個々の業務の役割が明確になり、
組織としてのリスク対応がレベルアップ
日油
Nichiyu FSSC22000
「安全・安心」のリスク管理でFSSCに取り組む
業務全般のマネジメントでの活用をはかる
石井食品
Ishii Syokuhin ISO22000/9001/14001・FSSC
新体制強化にISOを活用、強みを生かした仕組みで
新商品開発に意欲
日世
Nissei FSSC22000
顧客の要請、新工場内部統制強化のためFSSCを導入
技術の伝承とクレーム低減にデジタルメディアを活用
魚津漁業協同組合
Uotsu Gyogyo Kumiai ISO22000・FSSC
安全安心+品質重視のシステムを構築し、25人全員参加で効果的な運用につなげる
小岩井乳業
Koiwai Nyugyo JFS-C規格
JFS-C規格が食品安全への「気づき」につながり
自分達の「やりたいことができる仕組み」の実現へ
SOCSマネジメントシステムズ
SOCS Management Systems ISO22000
ISO22000事例「洗浄は生産工程の前準備」
SOCSマネジメントシステムの改革とは
日東ベスト
Nittobest ISO22000・FSSC・JFS-C規格
10工場・3規格(FSSC/ISO22000/JFS‐C)で認証取得
全社における食品安全管理体制のレベルアップにつなげる
ナラザキフーズ 釧路工場
Narazakifood JFS-C規格
事業と統合した仕組みを現場で導入し
外国籍従業員の活躍を促進 職場全体の活性化につなげる
明治チューインガム
Meijichuingam ISO22000・FSSC・JFS-C規格
食品安全システムの運用で全社で「絶対安全」意識を統一
多彩な仕掛けで現場力を向上、目指すは関係者全員の笑顔
濵田酒造
Hamadashuzou ISO22000/9001/14001・FSSC
Q・E・Fのシステムによる「年度方針表」に基づき
目標管理をトップから現場まで首尾一貫して運用
理研ビタミン 草加工場
Rikenvitamin ISO22000/9001/14001・FSSC
SDGs・DXに対する取り組みの見える化で
ISO業務の省力化・高度化を実現
ディスペンパックジャパン
Dispenpak ISO22000/9001・FSSC
世界唯一「パキッテ」製造をISOの考え方が支える
社会貢献を第一に“ものづくり”環境を実現
不二製油
Fujioil ISO22000/9001/14001・FSSC
ISOと事業活動を直結させ社会課題の解決に貢献
品質、環境、食品で認証取得しESG経営を推進