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ISO22000(食品安全マネジメントシステム:FSMS)食の安全

ISO22000は大手食品メーカーや小売との取引条件となるケースが増えている 食品安全規格です。
日本能率協会審査登録センターではISO22000の認証取得および認証取得支援サポートを行っています。

ISO22000とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定めた食品安全の規格です。別名をFSMS(Food Safety Management System:食品安全マネジメントシステム)とも言います。

その構成は、マネジメントシステム(経営のしくみ)部分と食品安全を担保するためのHACCP(危害要因分析と重要管理点)部分から成ります

総じて食品事故発生のリスク低減と再発防止を目的とした仕組みであり、これを取得することで企業が食品安全に関する取り組みを確実に実施していることをアピールできます。

ISO22000には組織に要求する「○○をすること」という項目がたくさん記載されています。この項目を「(規格)要求事項」と言います。ISO22000のようなISO規格は世界の流れに合わせて改訂されており、現在は2018年版が最新のものです。2018年版の改訂ではISO9001やISO14001と同じ項番の振られ方に改訂されたため、今までより複数の規格を取得、運用しやすくなりました。

ISO22000の項番目次

・序文

  1. 適用範囲:フードチェーンのすべての組織に適用できることが記載されています。
  2. 引用規格:この規格に引用規格はありません。
  3. 用語及び定義:規格内で使われる用語と定義について解説しています。
  4. 組織の状況:内部環境と外部環境について記載されています。
  5. リーダーシップ:トップマネジメントがすべきことについて説明しています。
  6. 計画:PDCAでいうPの部分。FSMSを回す上で必要な計画について記載されています。
  7. 支援:FSMSを回す上で必要な従業員への支援(教育等)について記載されています。
  8. 運用:PDCAでいうDの部分。前提条件プログラム(PRP)やHACCPの内容も含みます。
  9. パフォーマンス評価:PDCAでいうCの部分。内部監査やマネジメントレビューの内容も含みます。
  10. 改善:PDCAでいうAの部分です。

ISO22000の要求事項には著作権が存在するため、原文をそのまま著作者以外が掲載することはできません。よって、内容を確認したい場合は日本規格協会で原文や英和対訳版を購入する必要があります。

(1) 食品安全を担保するため

第一の目的は、食品の安全を担保することです。食の安全に対する市場からの要求は年々高まっており、「以前はこの程度でクレームにはならなかった」という関係者の話も聞かれます。食品事故や商品回収は、大きな費用がかかるうえブランド力の低下により経営に大きなダメージを与えます。ISO22000は、これらのリスクを防ぐために有効なツールです。

(2)販路の拡大

近年では、取引の条件としてISO22000などの食品安全規格の取得が挙げられたり、取引先に直接取得を要請されたりするケースが多くなっています。現在は要請が主ですが、これが広まると、将来は取引条件になることも考えられます。

(3) ルールの浸透

食品安全の世界では「食品安全は人づくり」と言われるくらい、従業員への教育が大切です。どんなに優れた設備やルールがあっても、実際に現場で働く従業員がうまく扱えなかったりルールに従わなかったりすれば、有効に機能しません。ISO22000には、従業員の教育や内部監査に関する要求事項があるため、計画的に従業員への教育や力量を確認できる体制を構築できます

メリット

(1)食品安全の担保

ISO22000を構築・導入することで、食品安全への取り組みがより強固なものになり、それを客観的に証明できるようになります。

(2)二者監査の軽減や免除

現在、取引先からの二者監査を受けている場合は、規格を取得することで免除されたり、回数や内容が軽減されたりすることもあります。2021年6月より本格的に始まるHACCP制度化についても、保健所からの監査が軽減・免除されるなどの特典があります。
二者監査に比べて第三者認証機関による審査は、中立的な立場で行われるため、受審側も緊張せずに臨めるという声もあります。

デメリット

(1)費用がかかる

システムを構築する際のコンサルタント費用や研修費用、場合によっては設備の改修費用や認証を取得するための審査費用など、ある程度まとまったコストがかかります。設備の改修については運用面でのカバーも可能なため、構築時にコンサルタントや研修講師に相談するのがよいでしょう。また、認証を維持するには毎年審査を受ける必要があります。初回ほどではないものの、維持審査・更新審査費用がランニングコストとして発生します。

(2)工数がかかる

システム構築(文書の作成やルール作り、教育、設備の改修等)や、毎年の審査対応などの工数が発生します。

ISO22000取得のステップは、大まかに「構築」と「審査」にわかれます。

構築

ISO22000に記載されている要求事項に対応して、文書やルールを作成します。要求事項には、例えば「組織は○○を利用可能な形で文書化し維持しなくてはならない」などと記載されています。
※食品安全マネジメント「システム」ですから、「構築」という単語が使われます。構築には、(1)自力でやる、(2)コンサルタントを活用する、(3)研修を利用する、という3つの方法があります。

構成方法の比較

食品安全に取り組んできた製造業者のなかには、社内にある文書やルールがISO22000の構築に活用できるケースもあります。既存の文書やルールを活用したりブラッシュアップしたりすることも、有効な手段です。

審査

システム構築後、運用を始めてから審査が行われ、審査に通ればISO22000の認証を受け、登録証が発行されます。
審査機関には、ISOの要求事項だけをチェックするところもあれば、企業がステップアップを目指すためにプラスαの指摘に力を入れている機関もあります。このような審査内容や審査費用、同業他社の審査実績、審査員の人数、審査の質などを総合的に考慮し、自社の方針にあう審査機関を選びましょう。

費用

取得に必要な費用は、構築費用と審査費用にわかれます。
構築費用は、自力で構築する場合はかかりません。コンサルタントを活用する場合は支援内容によって、また研修を利用する場合は回数によって、構築費用が変わってきます。

審査費用は、製造している品目の種類(HACCP数)や従業員数などから、審査工数(人日)を算出したうえで決まります。審査工数は「審査員の人数×日数」で表されます。一例として、20~30人規模の食品工場の場合、はじめて認証登録する年は80万円~、2年目と3年目は各30万円~、更新審査の年となる4年目は50万円~が審査費用の目安です。ただし、業種や製造品目、品目数によって安くなることも高くなることもあります。維持費用として12カ月で割って、コストパフォーマンスを考慮する必要があるでしょう。

期間

期間については、構築の取り組みを始めてから1年程度くらいで取得するのが一般的です。要望次第で作業量は多くなりますが、構築期間を短くして早期に取得することも可能です。

【A社】
業種 焼き菓子の商品開発及び製造
従業員数 約300名
認証取得の効果 顧客の要請や内部統制強化のため、FSSC22000を認証取得。取得から2年で、顧客からの指摘件数およびクレーム発生率が3分の1に減少した。
【B社】
業種 ギフト菓子の製造、直販
従業員数 約800名
認証取得の効果 食品安全マネジメントシステムの構築、ブランドイメージの向上などを目的に認証取得。マニュアル化の確立やインフラ整備を実施等により、時間短縮とコスト削減につながった。
【C社】
業種 商業印刷、食品パッケージ印刷
従業員数 約300名
認証取得の効果 新たに食品マーケットへチャレンジするため、バックヤード強化として認証取得。ISO22000という第三者認証により、顧客に安心感を与え信頼を獲得できる武器になった。
【D社】
業種 食品香料・製菓材料等の輸入、開発、販売
従業員数 約50名
認証取得の効果 海外進出を視野に、高品質で安全・安心な商品提供のため認証取得。リスク対応レベルが向上し、担当業務について商品の安全・安心への影響が理解されるようになった。
【E社】
業種 食品香料・製菓材料等の輸入、開発、販売
従業員数 約1,600名
認証取得の効果 安全・安心のリスク管理や、対外的な信頼性向上を目的に取得。取引先からの二者監査の削減、マニュアルの見直しによって内部コミュニケーションが活発になり、組織の活性化につながった。

Q.

自社内、自力での構築は難しい?

A.

自力で完全に構築するのは、難しい部分もあります。要求事項には「何をするべきか」は記載されていますが、「どこまでやるか」は明記されておらず、自社の対応がOKなのか判断がつかないからです。

例えば、「○○を文書化して利用可能な状態にする」という要求事項があったとして、「文書を印刷する必要があるのか」「共有フォルダに格納しておけばよいのか」「すでに社内には○○と同じ内容の文書があるが、これでいいのか」など、いざ構築を始めると頭を悩ませる文言が多いのは事実です。

自力で構築する場合は、審査前に模擬審査(研修)を受けるなど、一度専門家に見てもらうのがよいでしょう。

Q.

どんな体制で構築を進めればいい?

A.

品質保証や品質管理の担当者に加え、実際にルールを実行する製造現場の責任者などの関係者も巻き込み、食品安全チームを組織して構築するのが一般的です。その方が、取得後の現場に「やらされ感」が生じにくく、ルールが浸透しやすいというメリットもあります。

できれば、社長や工場長などトップマネジメントから関係者に一声かけてもらい、チーム一丸となって進めていくのが理想です。

Q.

審査に落ちることもあるの?

A.

基本的に、審査は落とすためのものではありません。審査中に要求事項を満たさない部分があれば「不適合」として指摘されますが、そこさえ直せば認証を取得できます。

力量のあるコンサルタントを活用したり研修機関の研修を受けたりすれば、対応できないレベルの不適合は出てこないはずですが、不安であれば審査前に模擬審査(研修)などを利用するのもよいでしょう。

Q.

ISO22000の有効期限は?

A.

有効期限は3年間です。有効期限前には、期限を延長するための更新審査が必要になるほか、更新審査がない年は1年に1回、取り組み状況を審査するサーベイランス(維持)審査が必要になります。これは、認定を受けている審査機関であれば、どの機関も同様です。

「ISO22000:2018要求事項のポイント」詳説
(「文書化された情報の要求に関する2018年版と2005年版の比較表」も含みます)

食品安全マネジメントシステム・ISO22000が改定されて2018年6月19日付で2018年版が発行されました。「改定の背景」から解説し、各要求事項ごとに詳しく紹介していきます。2018年版に取り組む組織には必見資料です。

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